東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 量子イノベーション協創センター

2018年11月号 No.134

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1【機構活動】●ISPEC2018がいよいよ12月3、4の両日開催されます
2【シンポ報告】●公開シンポ「量子ドット誕生36年」が盛況に開催されました
3【CREST】●「量子状態」第3回公開シンポが11月21‐22日に開催されました
4【周辺情報】●3月18日からImPACT「量子人工脳」がCNC2019を開催します
5【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
6【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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☆★☆記事内容★☆★
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1 【ISPEC】●ISPEC2018がいよいよ12月3、4の両日開催されます
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★東京大学、技術研究組合光電子融合技術基盤研究所(PETRA)共催による光電子融
合分野の国際会議「ISPEC 2018」がいよいよ12月3日(月)から2日間、東京・駒場の
東京大学駒場リサーチキャンパス・ENEOSホールで開催されます。PETRAの田原修一専
務理事の開会挨拶の後、Opening Sessionとして、組織委員長の荒川泰彦特任教授が
「Advances in Photonic and Electronic Convergence System Technology」と題し
て基調講演を行うほか、MITのL. C. Kimerling教授が「Electronic-Photonic
Integration Platforms: Datacom, RF and Sensing」と題してプレナリ講演、カリ
フォルニア工科大のK. Vahala教授が「Photonic Integration of Ultra-High-Q
Optical Resonators for Next-Generation Clocks and Hertz-Absolute-Accuracy
Optical Frequency Synthesizers」と題して招待講演をそれぞれ行います。その他の
講演含め、下記URLのTechnical Programページをご参照ください。

 ↓↓↓(ISPEC 2018)↓↓↓
 http://pecst.org/ispec2018/index.html

 また、初日3日午前のOpening Sessionを、機構主催による第14回フォトニクス・イ
ノベーション(PI)セミナーとして併催します。機構が推進する国立研究開発法人新
エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のフォトニクス・イノベーション共創プ
ログラムに基づいて、人材育成の一環として、最先端のシリコンフォトニクス動向に
関する講演を光学分野の技術者や学生(学部生、院生)向けに広く提供するもので
す。セミナーへの参加ご登録は上記ISPEC2018 URLの参加登録フォームからお願い致
します。

 ↓↓↓(第14回PIセミナーについて)↓↓↓
 http://picc.iis.u-tokyo.ac.jp/eventdetail/photonics-innovation-seminar-14th/

 2日目の4日、session Dの11:00からISPECで初めてPanel Discussionを開催しま
す。モデレータを田原修一PETRA専務理事が務め、パネラにはLuxtera社の
Dobbelaere、アイオーコア社のFukuda、Rockley Photonics社のZilkieの各氏が登壇
し、Silicon Photonicsを担う民間の立場からホットな議論を展開します。また11:30
からPoster Previewおよび12:30から14:00まで、場所を同キャンパスS棟会議室108に
移し、Poster Sessionを行います。

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2【シンポ報告】●公開シンポ「量子ドット誕生36年」が盛況に開催されました
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★11月5日(月)14時半から東京・御茶ノ水の東京ガーデンパレスで、機構主催によ
る公開シンポジウム「量子ドット誕生36年」が約180名の参加を得て開催しました。
前機構長の荒川泰彦特任教授の定年退職を記念して、1982年量子ドット提案論文から
今日まで、量子ドットの研究開発の地平を展望する意味で開催されました。前半の座
長を岩本敏准教授が務め、主催者を代表して平川一彦機構長が82年の量子ドット提案
論文の思い出を含めて、「定年の節目に量子ドット技術を中心に過去と今後の展望を
感じとっていただきたい」と開会挨拶を述べました。

 次いで海外から独ヴュルツブルク大学のAlfred Forchel学長や仏エコール・ノルマ
ル・シュペリウールのGerald Bastard名誉教授からそれぞれ量子ドットレーザに関す
る技術的評価と意義について、また量子ドットレーザの実用化に取り組むQDレーザの
菅原充社長より、最近の進展についてそれぞれ講演がありました。

 休憩をはさみ、後半の座長を高橋琢二教授に交代し、ノーベル物理学賞の江崎玲於
奈茨城県科学技術振興財団理事長が登壇し、「科学がわれわれに与えるもの」と題し
て特別講演を行いました。最後に荒川泰彦特任教授・量子イノベーション協創セン
ター長が「量子ドット研究の進展~過去、現在、未来~」と題して基調講演を行いま
した。生産技術研究所に赴任当時のエピソードや量子ドット研究の端緒など、量子
ドット開発のエッセンスが凝縮され、近年の国家プロジェクトによる連続的な支援お
よび並行して進めた産学連携により、大きく発展してきた経緯などが具体的に語られ
ました。また、共振器量子電磁力学などの新領域開拓をはじめ、若い研究者の育成に
も、,引き続き貢献していく決意も語りました。

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3【CREST】●「量子技術」第3回公開シンポが11月21‐22日に開催されました
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★科学技術振興機構(JST)主催、東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催による戦略的創造研究推進事業(CREST)「量子状態の高度な制御に基づく革新
的量子技術基盤の創出」研究領域(研究総括=荒川泰彦特任教授)第3回公開シンポ
ジウムが21日(水)から2日間、東京大学駒場リサーチキャンパス・ENEOSホールで開
かれました。平成30年度採択課題も含め、3年間で採択されたCREST全19課題からの報
告が2日間に渡り、質疑応答含め活発に行われました。 

 最初に荒川泰彦研究総括から開会の挨拶として「今年度から国際連携研究がCREST
では初めて認められ、フランス国立研究機構との日仏連携研究がスタートした。一
方、Q-LEAPなども発足し、他の量子情報プロジェクトとも強い連携をもって進めた
い。また今回のシンポを通じ、課題チーム間の連携深化も期待したい」と国際情勢を
踏まえ、今回の開催目的に触れました。次いでJSTの後藤吉正理事から主催者を代表
して「荒川総括が世界の動向を踏まえて、3年度にわたり採択、本格的な体制作りが
整った。Q-LEAP、さきがけ研究などと連携して成果を期待している」と挨拶。また、
来賓挨拶として文部科学省の奥篤史量子研究推進室長が「量子技術を成長戦略の一つ
に位置付け、この分野でQ-LEAP、さきがけを含め強化してきた。諸外国の投資は日本
より一桁多い現状だが、それらをクリアするよう期待します」と述べました。

 次いで量子コンピューティング、量子計測センシング、平成30年度採択課題、量子
通信、量子シミュレーションの各テーマごとに5つのセッションで、各課題の研究代
表者がそれぞれ報告し、討論を行いました。

 2日目最後に荒川研究総括が講評として、「第1期から第3期採択になるほど、若手
比率が高まり、10年後、20年後の礎となるよう、連携含めて発展を期待している。ま
た領域シンポにこだわらず、量子技術に関する日本全体の会議あるいは国際会議に発
展するよう今後、議論していきたい」と今後の指針を示し、終了しました。 

 ↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
 http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research/activity/1111093/index.html

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4【周辺情報】●3月18日からImPACT「量子人工脳」がCNC2019を開催します
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★コヒーレント・イジングマシンおよびXYマシンなど、コヒーレントネットワーク計
算機に関する国際会議「Coherent Network Conference(CNC 2019)」が2019年3月18
日(月)から3日間、神奈川県厚木市・森の里のNTT厚木研究開発センタ物性科学基礎
研究所で開催されます。総合科学技術・イノベーション会議の革新的研究開発推進プ
ログラム(ImPACT)に基づいて、科学技術振興機構の山本喜久プログラム・マネー
ジャーが主宰する「量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実
現」が開催する国際会議です。皆様のご参加をお願い致します。

 ↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
 http://www.jst.go.jp/impact/hp_yamamoto/cnc2019/index.html

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5【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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★日経産業新聞の10月31日(水)付先端技術面 Next Tech 2030欄に、日立ケンブ
リッジ研究所など、半導体を利用した量子ゲート方式の開発状況などが紹介されまし
た。量産技術が確立しているSi CMOS技術を活用した量子ビット技術が、量子コン
ピューターの大規模化の可能性につながると述べられています。また、これまでの量
子コンピューターの研究の歴史として、中村泰信教授(先端科学技術研究センター)
らの超電導量子ビット開発にも触れられています。

 ◎日経産業新聞 10月31日付7面 Next Tech 2030 半導体技術で量子計算機
            汎用的「ゲート」方式 日立・英ケンブリッジ大など
            読み出し精度5倍達成
            IBMやグーグルも開発中 覇権獲得へ競合激化

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★日経産業新聞11月6日(火)付1面トップの起業ビジネスを紹介するSTART UP X欄
に、網膜に直接描画するメガネ型ディスプレー「RETISSA」を開発、事業化を進める
QDレーザが紹介されました。RETISSAの原理紹介や応用の広がりなど商品化のロード
マップや、同社の菅原充社長の談話を含め、起業ビジネスの現在進行形として大きく
紹介されています。

 ◎日経産業新聞 11月6日付1面 START UP X
                網膜が銀幕AR進化形 視力関係なく鮮明に
                網膜がディスプレーに QDレーザ 

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★毎日新聞11月8日(木)付の科学面 科学の森欄に量子コンピューターの開発競争
が世界的に激化し、その中で日本が巻き返そうとしている状況が紹介されています。
量子コンピューターの将来の可能性の大きさから、研究開発競争が激化している中
で、日本も文部科学省が今年度から中村泰信教授(先端科学技術研究センター)が
チームリーダーを務める理化学研究所などの研究グループにテコ入れを図るほか、慶
応大が米IBMと提携して量子計算のソフトウェア応用開発などに踏み出している例な
どを紹介しています。

 ◎毎日新聞   11月8日付15面 科学の森
                能力桁違いの量子コンピューター
                開発競争激化 日本の巻き返しは

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★日刊工業新聞の「理研の最前線 創発物性科学研究センター」連載企画に、同セン
ターのソフトシステム研究チームリーダーを務める染谷隆夫教授(工学系研究科)が
同チームの成果について寄稿しています。次世代のウエアラブルデバイスとしてス
マートアパレルが注目される中、テキスタイル型センサのボトルネックとなっている
電源の有機太陽電池でエネルギ変換効率10%を達成したほか、耐水性、伸縮性の両立
と耐熱性などを実現したことなどが報告されています。
 
 ◎日刊工業新聞 11月19日付16面 理研の最前線 創発物性科学研究センター 27
                 創発ソフトシステム研究チーム
                 チームリーダー 染谷隆夫
                 衣服貼り付け型 伸びる有機太陽電池 開発

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★平川一彦教授(生産技術研究所)に第15回江崎玲於奈賞が贈られた授賞式が11月22
日(木)、茨城県つくば市のつくば国際会議場で開催され、その様子が報道されまし
た。また読売新聞の“顔”欄に平川教授の人物評が紹介されました。
 ◎産経ニュース 11月22日 
            平川・東大教授に江崎玲於奈賞を授与 茨城・つくば市
  https://www.sankei.com/life/news/181122/lif1811220055-n1.html
 ◎茨城新聞   11月23日付22面 江崎玲於奈賞 つくばで授賞式
                 平川氏「研究の励みに」
 ◎読売新聞   11月24日付 2面 顔 江崎玲於奈賞を受賞した平川一彦さん(58)
 ◎読売新聞   11月25日付22面 江崎賞・平川教授が講演 つくばで授賞式

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★山本喜久科学技術振興機構プログラム・マネージャーが2019年7月1日(月)にNTT
が北米シリコンバレーに設立する3つの研究所のうち、「量子計算科学研究所
(Quantum Science & Computing Laboratories, 通称NTT Φ(PHI ファイ)
Laboratories)」の所長に招聘されることが、NTTから発表され、報道されました。

 ↓↓↓(詳しくはプレスリリース)↓↓↓
 http://www.ntt.co.jp/news2018/1811/181128c.html
 ◎日本経済新聞 11月28日 NTT、北米に量子計算など先端3分野の研究所
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38284940Y8A121C1X30000/
 ◎日刊工業新聞 11月29日付9面 シリコンバレーに研究所
                 NTT、量子計算など

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6【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★2019年3月3日(日)‐7日(木)「Optical Fiber Communication Conference and
Exhibition 2019 (OFC 2019)」(@San Diego Convention Center, San Diego,
California, USA)
 https://www.ofcconference.org/en-us/home/

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★3月9日(土)‐12日(火)「2019年第66回応用物理学会春季学術講演会」(@東京
工業大学 大岡山キャンパス、東京都目黒区)
 https://www.jsap.or.jp/jsap-meeting

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★3月14日(木)-17日(日)「日本物理学会第74回年次大会(2019年)」(@九州
大学伊都キャンパス、福岡市西区元岡)
 https://www.jps.or.jp/activities/meetings/annual/annual-index.php

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★3月17日(日)-21日(木)「11th International Symposium on Advanced Plasma
Science and its Applications for Nitrides and Nanomaterials 12th
International Conference on Plasma-Nano Technology & Science
(ISPlasma/IC-PLANTS)」(@Nagoya Institute of Technology, Nagoya, Japan)
 http://www.isplasma.jp/

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★3月27日(水)-29日(金)「Graphene Korea 2019 International Conference
(Graphene Korea 2019)」(@Songdo Convensia, 123 Central-ro, Yeonsu-gu,
Incheon ,Rep. Korea)
 http://www.setcor.org/conferences/Graphene-Korea-2019

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■【編集後記】寒さ到来を肌に感じる季節になりました。皆様は先刻ご承知と思いま
すが、遅ればせながら私が最近、感銘を受けた本に、森田真生著「数学する身体」
(新潮文庫)があります。1985年生まれの著者は非常に若い世代と思います。しかし
その著作を読み、その洞察の深さに驚きました。もちろん、数学なんてわからない私
のような者にも、著者の言わんとするところ?が明確に伝わってくるほど、その表現
力には驚かせられました。もちろん、文章力だけでなく、数学の世界観を、古今東西
含め広くとらえているように思えました。その数学界の中で、孤高の数学者・岡潔の
生きざまも見事に表現しているように強く感じました。数学の何たるかを評価できな
い私にもそれが伝わってくるようでした。この作品で小林秀雄賞を最年少で受賞され
たのも納得です。さらに、意表を突く生き方にも驚きました。東大文Ⅱに入学後、工
学部→理学部と転身し、現在は自身を独立研究者と称して、岡潔にならってか、無所
属で研究しているようです。また、数学は音楽であるとばかりに数学演奏会などを主
宰しています。まだ、聴いたことはありませんが、「数学する身体」を読むと、数学
を芸術のような新分野に編みなおし、心の底から聴衆を引き付けてやまないのではと
想像させられます。(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
■「東大ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構ニュースレター」へのご意見・お問
│い合わせは下記担当宛メールまでお寄せ下さい。
■このニュースレターは専用メーリングリストで配信しております。今後、こうした
│メールの配信停止や送付先の変更等をご希望される方は、ご面倒ですが、下記担当
│宛にメールでお寄せ下さい。
├ニュースレター担当係:E-mail: otokozw@iis.u-tokyo.ac.jp
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