東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 量子イノベーション協創センター

2018年12月号 No.135

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1【機構活動】●ISPEC2018-内外から約250名参加し盛況に開催
2【受賞情報】●荒川特任教授にIEEE Jun-ichi Nishizawa Medalが贈られます
3【周辺情報】●Q-LEAP第1回シンポが1月30日に開催されます
4【イノベーション】●染谷教授がパラマウントベッドとセンサ事業で合弁設立
5【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
6【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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☆★☆記事内容★☆★
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1 【機構活動】●ISPEC2018-内外から約250名参加し盛況に開催
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★東京大学、技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)共催による国際会議
「ISPEC 2018」が12月3、4の両日、東京・駒場の東京大学駒場リサーチキャンパス・
ENEOSホールで内外から延べ約250名の参加を得て、盛況に開催されました。組織委員
長の荒川泰彦特任教授が「Advances in Photonic and Electronic Convergence
System Technology」と題し、FIRSTプログラムから最近のNEDOプロジェクトまで
PECST全体の進展について、基調講演を行いました。その中では、2017年4月に
AIOCORE社設立とその後の製品出荷など実用化に向けた地平についても触れました。

 続いてMITのL. C. Kimerling教授が「Electronic-Photonic Integration
Platforms: Datacom, RF and Sensing」と題して、Datacom、LiDAR、スーパーハイビ
ジョン、5G、I o Tなど、最近の応用市場の広がりと光電子集積回路の市場展望とし
て、コスト・エネルギー密度、バンド幅密度など、光電子回路のロードマップを元に
現状と課題についてプレナリ講演しました。また、カリフォルニア工科大のK.
Vahala教授は「Photonic Integration of Ultra-High-Q Optical Resonators for
Next-Generation Clocks and Hertz-Absolute-Accuracy Optical Frequency
Synthesizers」と題して、光集積回路に搭載する超高精度な次世代クロック発生器お
よび周波数共振器などの集積応用について招待講演を行いました。この初日午前の
Session Aについては、機構主催による第14回フォトニクス・イノベーション(PI)
セミナーの位置づけで併催しました。

 2日目午前のSession Dでは、シリコンフォトニクス市場を牽引するLuxtera社、
AIOCORE社、Rockley Photonics社からそれぞれ招待講演を行った後、ISPECで初めて
パネル討論を開催しました。田原修一PETRA専務理事がモデレータを務め、パネラに
はSession Dで招待講演を行った3社の各氏が登壇。実際にシリコンフォトニクス産業
を牽引する立場から、顧客や市場の状況、顧客ニーズの実現、競合先とその対応策な
どについて質問課題が出され、3氏から興味ある議論を聴くことができました。その
後、Poster発表者全員によるPoster Previewを行った後、場所を同キャンパスS棟会
議室108に移し、Poster Sessionを行いました。

 続いてSession Eの後、組織委員会副委員長の森雅彦産業技術総合研究所(AIST)
電子光技術部門長が閉会挨拶に立ち「今会議でシリコンフォトニクスの広範な分野に
ついて議論を深め、新技術の必要性が認識されました。研究分野が世代、分野を越え
て確実に広がりを見せています」と最後を締めくくりました。

 ↓↓↓(ISPEC 2018)↓↓↓
 http://pecst.org/ispec2018/index.html

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2【受賞情報】●荒川特任教授にIEEE Jun-ichi Nishizawa Medalが贈られます
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★荒川泰彦特任教授に2019 IEEE Jun-ichi Nishizawa Medalを授与すると、11月末に
IEEEが発表しました。世界最大の学会であるIEEEの顕彰制度には、IEEE Medals &
Recognitions(IEEE Medals)とTechnical Field Awards(TFAs)の二つのカテゴ
リーがあり、例年この時期に受賞者を発表しています。IEEE Jun-ichi Nishizawa
Medalは半導体デバイス分野で世界的業績を残した故西澤潤一元東北大総長の名を冠
して、IEEE Medalsの1つとして2002年に創設されました。応用を含めた材料・デバイ
ス科学技術への多大な貢献に対して贈られます。

 今回の授賞理由は“For contributions to the development and
commercialization of quantum dot lasers”で、荒川特任教授は、Pallab
Bhattacharyaミシガン大学教授、Dieter Bimbergベルリン工科大学教授の2氏と共同
で受賞します。贈呈式は2019年5月17日(金)に米サンディエゴで開かれる2019 IEEE
VIC(Vision, Innovation, and Challenges) Summit and Honors Ceremonyで行われ
ます。

 ↓↓↓(IEEE Awardsについて)↓↓↓
 https://www.ieee.org/about/awards/index.html

 ↓↓↓(IEEE Jun-ichi Nishizawa Medalについて)↓↓↓
 https://www.ieee.org/about/awards/medals/nishizawa.html

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3【周辺情報】●Q-LEAP第1回シンポが1月30日に開催されます
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★“~量子科学技術(光・量子技術)ネットワーク型研究拠点の形成に向けて~”を
テーマに、文部科学省主催による「光・量子飛躍フラッグシッププログラム
(Q-LEAP)第1回シンポジウム」が2019年1月30日(水)13時から東京・京橋の東京コ
ンベンションホール(東京スクエアガーデン5階)で開かれます。世界の量子コン
ピューター開発競争に伍していく目的で、平成30年度から打ち出された文科省の
Q-LEAPプログラムのキックオフとなるものです。五神真東京大学総長が基調講演を行
うほか、荒川泰彦特任教授ら3名のプログラム・ディレクター(PD)による各技術領
域の研究開発の紹介と、近年注目を集めている量子コンピューターをテーマにパネル
ディスカッションが予定されています。

 ↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
 http://www.mext.go.jp/b_menu/gyouji/detail/1411498.htm

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4【イノベーション】●染谷教授がパラマウントベッドとセンサ事業で合弁設立
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★染谷隆夫教授(工学系研究科)がかねて共同研究を進めてきたパラマウントベッド
と合弁で、11月29日付でセンサ技術の開発・販売と情報提供サービスを行う合弁会社
「サイントル株式会社」を設立しました。資本金1000万円で、染谷教授、パラマウン
トベッド、その他が出資、社長に佐藤泉パラマウントベッド常務が就任しました。新
会社所在地は本郷キャンパスの東京大学アントレプレナー内です。設立に関して報道
もありました。

 ↓↓↓(プレスリリース)↓↓↓
 https://www.paramount.co.jp/news/detail/102
 http://signtle.com/index.html
 ◎保健産業事報 12月10日「サイントル株式会社」を設立【パラマウントベッド】
  https://hokensangyojiho.com/news/corporate-activities/811.html
 ◎日刊工業新聞 12月12日付15面 センサー技術で計器開発
                  パラマウントベッド 東大と合弁設立

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5【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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★理化学研究所創発物性科学研究センター量子機能システム研究グループ・グループ
ディレクターも務める樽茶清悟教授(工学系研究科)らの国際共同研究グループは、
半導体量子ドットデバイス中の電子スピンを用いて、異なる二つの方式のスピン量子
ビットを結合させたハイブリッド量子計算手法を実証し、その成果が報道されまし
た。半導体量子ドットを用いた量子コンピューター実現に必須の「高精度制御」と
「高速読み出し」の両立につながるとしています。この成果論文は11月29日付(木)
Nature Communicationsで公開されました。

 ↓↓↓(プレスリリース)↓↓↓
 http://www.t.u-tokyo.ac.jp/foe/press/setnws_201811301318048382645673.html
 https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP496893_Z21C18A1000000/
 https://www.nanonet.go.jp/ntj/topics_ntj/?mode=article&article_no=4563
 ◎Laser Focus World Japan 12月4日
         半導体量子ビットによるハイブリッド量子計算手法の実証
  http://ex-press.jp/lfwj/lfwj-news/lfwj-science-research/26991/
 ◎EE Times Japan 12月4日 2方式のスピン量子ビットを結合:
         量子ビットの高精度制御と高速読み出しを両立
         半導体量子コンピュータの大規模化を加速
  http://eetimes.jp/ee/articles/1812/04/news014.html

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★日刊工業新聞の“理研の最前線 創発物性科学研究センター”の研究成果紹介の連
載企画記事に、樽茶清悟教授(工学系研究科)、中村泰信教授(先端科学技術研究セ
ンター)がそれぞれ寄稿しています。兼務する理化学研究所創発物性科学研究セン
ターの副センター長およびチームリーダーそれぞれの立場で寄稿紹介しています。樽
茶教授はシリコンを利用するスピン量子ビットによる量子コンピューター開発につい
て、中村教授は超伝導量子ビット研究による量子コンピューター開発について現状に
おける成果と到達点について述べています。

 ◎日刊工業新聞 12月 3日付19面 理研の最前線 創発物性科学研究センター 28
            創発物性科学研究センター 副センター長 樽茶清悟
            量子コンピューター開発 シリコン利用で加速
 ◎日刊工業新聞 12月17日付21面 理研の最前線 創発物性科学研究センター 29
            創発物性科学研究センター 超伝導量子エレクトロニクス
            研究チーム チームリーダー 中村泰信
            量子コンピューター開発に貢献 超伝導量子ビット研究 
                  

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★中村泰信教授(先端科学技術研究センター)が毎日新聞の科学の森の企画記事“幻
の科学技術立国 第3部 企業はいま 2”の中で、蔡兆申東京理科大学教授ととも
に、NEC時代の量子コンピューター開発に関したエピソードについてコメントしてい
ます。
 ◎毎日新聞 12月6日付13面 科学の森 幻の科学技術立国 第3部 企業はいま 2
               トップNEC 先越され 量子コンピューター開発
               「大企業病」で転換できず 縮小する基礎研究

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★野田進教授(京都大学)らが独自の2重格子フォトニック結晶共振器を用いて、半
導体レーザの高輝度化に成功、その成果が報道されました。10W級の高出力ながら、
ビーム広がり角が極めて狭くかつ極めて高いビーム品質を達成し、半導体レーザの高
安定・高輝度動作に初めて成功した成果です。これで大型のガスレーザやファイバ
レーザなどに迫る高輝度の半導体レーザ実現に見通しをつけ、自動運転やLiDARなど
の高度センシングシステム用途にも期待されます。成果論文が12月18日付Nature
Materials電子版に公開されました。

 ↓↓↓(プレスリリース)↓↓↓
 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181218/index.html
 ◎京都新聞   12月18日付20面 高輝度レーザー開発 より多くの光を一点に
                 京大「フォトニック結晶」活用
 ◎日刊工業新聞 12月18日付21面 高出力・高輝度化を実現 フォトニック結晶レーザー
                 単一モードで安定動作
                 京大 自動運転などに応用
 ◎科学新聞   12月21日付 4面 二重格子フォトニック結晶 京大が考案
                 半導体レーザー 高輝度化に成功

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★中村泰信教授(先端科学技術研究センター)が東京大学新聞の企画インタビューを
受け、量子コンピューターの原理や研究内容などについて、ほぼ1ページにわたり記
事掲載されています。現在のコンピューターと量子コンピューターとの違いやその原
理、研究内容と課題などについて平易に解説しています。

 ◎東京大学新聞 12月18日付4面 「1ナノ秒」が大きな一歩 
            夢の超高速計算機 量子コンピューターの研究に迫る
            先端科学技術研究センター 中村泰信教授

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6【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★2019年1月14日(月)-18日(金)「2019 Joint MMM-Intermag Conference」(@
Marriott Wardman Park Hotel, Washington, DC)
 http://www.magnetism.org/

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★2月20日(水)「平成30年度 光産業技術シンポジウム ~ Beyond 5G社会を支え
るフォトニクス技術 ~」(@リーガロイヤルホテル東京、新宿区戸塚町、東京)
 http://www.oitda.or.jp/main/symp/symp18-j01.html

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★4月24日(水)-26日(金)「OPTICS & PHOTONICS International Exhibition
(OPIC’19)」(@パシフィコ横浜、横浜市西区みなとみらい)
 https://www.opie.jp/

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★4月26日(金)-28日(日)「The 7th International Conference on
Nanomaterials and Materials Engineering(ICNME 2019)」(@Sichuan
University, Chengdu, China)
 http://www.icnme.org/

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■【編集後記】早くも年の瀬を迎えました。今年はどんな年だったでしょうか。ご承
知の通り、日本漢字能力検定協会恒例の“今年の漢字”公募では、1位が“災”でし
た。自然災害など、災いが多かった年との印象は確かです。ちなみに“今年の漢字”
を過去23年間振り返ると、“災”が選ばれたのはこれで2回目なそうです。天災は忘
れた頃にやってくるといわれますが、地球温暖化問題もあり、地球環境への影響は心
して備える必要がありそうです。機構に関する今年の話題はというと、機構長交代や
組織改編に加え、今号もそうですが、昨年に引き続き、量子コンピューターやシリコ
ンフォトニクスに関連した話題が多かったと思います。地球環境への貢献側面でも、
量子コンピューターやシリコンフォトニクス両分野とも、そのエネルギー軽減側面で
は特筆されるのではないでしょうか。来年も大いなる発展を期待したいと思います。
(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
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