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1【人材育成】●機構教員研究室における博士取得者数は9年間で132名!
2【引用ランク】●トムソン・ロイターの高被引用研究者に機構から3氏が選定
3【特論情報】●7月31日に日立で企業講義を開催しました
4【受賞情報】●Podemski氏(荒川研)らが応物優秀論文賞を受賞
5【人事情報】●6月1日付で樽茶研の山本さんが講師に昇任しました
6【周辺情報Ⅰ】●荒川教授がICO(国際光学委員会)新会長に選出されました
7【周辺情報Ⅱ】●光電子融合研究センターが7月31日にWSを開催しました
8【Media情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
9【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
10【掲載論文】●機構メンバーの発表論文の一部を紹介します
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☆★☆記事内容★☆★
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1【人材育成】●機構教員研究室における博士取得者数は9年間で132名!
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★機構が2006年度に発足して以来、今年度の2014年度(取得見込み者含む)までの9年
間に「ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点」プロジェクトに係わる研究を通
じて取得された博士総数は132名になります。機構が6月に機構所属教員研究室を対象
に調査し、回答のあった20研究室の合計結果です。調査ご協力への御礼を含めて下記
に年度ごとの取得者数をお知らせします。
06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年度(含見込)総計
17 12 13 11 12 16 18 16 17 132人
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2【引用ランク】●トムソン・ロイターの高被引用研究者に機構から3氏が選出
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★トムソン・ロイターが発表した論文の引用動向から見た、世界で影響力を持つ研究
者−Highly Cited Researchers(高被引用研究者)に機構関係者の3氏が選定されまし
た。機構関係者から材料科学分野で染谷隆夫教授、関谷毅准教授(現大阪大学教授)、
物理学分野で中村泰信教授がそれぞれ選定されています。
これは2002年1月から2012年12月までの11年間に登録された、同社の論文動向分析
データベースInCites Essential Science Indicators(ESI)の研究カテゴリ21分野別
論文において、トップ1%の被引用数を持つ論文を抽出し、その中で一定数以上の高被
引用論文を持つ著者リストから、高被引用研究者が選定されました。今回、選定され
た高被引用研究者は全世界で3200余名、日本の研究機関に所属している研究者約100
名が選出されています。
↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2014/Scientific-Minds-2014/
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3【特論情報】●7月31日に日立で企業講義を開催しました
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★夏学期最終となる企業集中講義が7月31日(日)に日立製作所中央研究所(東京都国
分寺市)で開催されました。猛暑の中、緑濃い武蔵野の面影を残す同社中研を約70名
の工学・理学系研究科院生が訪れ、講義、ラボツアーの“ショートインターンシッ
プ”を経験しました。
最初に会社紹介があり、コンピューター科学、ナノ科学、生命科学分野を中心に、
イノベーション、グローバル、トランスフォーメーション(顧客起点による研究開
発)をキーワードに研究開発を進めているとの中研紹介がありました。講義はカルコ
ゲナイトの相変化を利用した相変化メモリ、中赤外光の吸収量変化で脳血流分布によ
る脳活動計測を実用化している光トポグラフィ技術、医療用診断技術など、最新の研
究について講義がありました。
講義を前後してラボツアーも組まれ、パワーデバイスなどのクリーンルームや半導
体検査用電子顕微鏡の研究室などを見学しました。各講義に加え、最後の全体質問の
時間でも研究内容にとどまらず、研究開発の横の連携など、積極的に質問が飛び交
い、会場のマイク係が汗だくで飛び回るほど、アグレッシブな学生の姿が印象的でし
た。
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4【受賞情報】●Podemski氏(荒川研)らが応物優秀論文賞を受賞
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★荒川・岩本研究室のPawel Podemski元特任研究員(現波蘭・ヴロツワフ工科大)、
Mark Holmes特任研究員、加古敏特任助教、有田宗貴特任准教授、荒川泰彦教授が
2014年度応用物理学会優秀論文賞を受賞しました。授賞論文タイトルは
“Photoluminescence Excitation Spectroscopy on Single GaN Quantum Dots”で、
近年、注目を集めているGaN/AlN量子ドットの蛍光励起スペクトルの単一量子ドット
計測に初めて成功した成果が評価されたものです。論文掲載号はAppl. Phys. Express
6 (2013) 012102。8月1日(金)に応物学会が発表したもので、授賞式および受賞記
念講演は9月17日(水)から北海道大学で開かれる応物秋季講演会で行われます。
↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://www.jsap.or.jp/activities/award/paper/prizewinner36.html
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★8月8日(金)に東京・六本木の日本学術会議講堂で開催された日本学術会議公開シン
ポジウム「第4回先端フォトニクスシンポジウム」で荒川・岩本研究室のMark Holmes
特任研究員が「人気ポスター賞」に選定されました。70件のポスター発表の中から、
会場参加者の投票によって5人が選定されました。Holmes特任研究員のタイトルは
「半導体量子ドットとその単一光子発生素子への応用」です。
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5【人事情報】●6月1日付で樽茶研の山本さんが講師に昇任しました
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★樽茶研究室の山本倫久助教が6月1日付で講師に昇任しました。また同研究室に7月1
日付で松尾貞茂助教が着任しました。
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6【周辺情報Ⅰ】●荒川教授がICO(国際光学委員会)新会長に選出されました
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★International Commission for Optics(ICO, 国際光学委員会)の第23回総会が、
8月26日(火)から29日(金)まで、スペインのサンチアゴ・デ・コンポステーラで
開かれ、選挙の結果、荒川泰彦教授が会長に選出されました。任期は10月1日から3年
間です。
ICO総会は3年毎に開催されますが、今回の総会においては、第24回ICO総会 (General
Assembly) を2017年9月、横浜パシフィコにおいて開催することも決議されました。国
際会議であるICO-24 (Congress) が、日本学術会議の主催で同時開催される予定でもあ
り、荒川新会長は、組織委員長として国際会議も成功に導かねばならず、ICO史上例の
ない二重の責務を担うことになります。
ICOは、1947年に創設され、光学及びフォトニクスの分野の進歩と知識の普及のた
めに、さまざまな活動を行うことを目的とする国際学術連合組織で、53の各国委員会
(Territorial Committee)とOSAなどの主要国際学術団体で構成されています。我が
国では、日本学術会議が対応機関として登録されており、同会議ICO分科会(委員長
=荒川教授)が実際の活動を推進しています。
↓↓↓ICOについては↓↓↓
http://e-ico.org/
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7【周辺情報Ⅱ】●光電子融合研究センターが7月31日にWSを開催しました
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★生産技術研究所光電子融合研究センター(CPEC、センター長荒川泰彦教授)が7月
31日(木)に生産技術研究所7階セミナー室で「光電子融合ワークショップ(WS)」を
開催しました。志村努副センター長(教授)の開会挨拶で始まり、CPEC連携研究室や
所属研究室の学生、若手研究者を中心に、中赤外光パルスによる金ナノロッドからの
光電界電子放出やグラフェンnpn接合における量子干渉など、将来の芽となる研究活
動についてそれぞれ発表、熱心に討論しました。
↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://cpec.iis.u-tokyo.ac.jp/workshop01.html
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8【Media情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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《前号に続く》★野田進委嘱教授(京都大学)のフォトニック結晶の研究について、連
載で紹介する記事の続報です。
◎静岡新聞 8月 4日付 7面 科学する人
光を制御する結晶作製 野田進さん 3
ナノ加工技術を確立
◎静岡新聞 8月18日付 7面 科学する人
光を制御する結晶作製 野田進さん 4
2次元構造でもリード
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《前号に続く》★中村泰信教授らの成果である超電導回路を用いてパラメトロンを作
製し、量子ビットの高精度単一試行読出しに成功した記事の続報がありました。
◎科学新聞 8月22日付 4面 超伝導回路用いたパラメトロン作製
量子ビット単一試行読み出し
90%超える精度で成功
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《前号に続く》★野田進委嘱教授(京都大学)らの成果である熱輻射を超高速に動的制
御した成果について続報がありました。
◎京都新聞 8月23日付 9面 消費電力が従来の100分の1
赤外線センサー光源を開発 京大グループ
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9【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★10月20日(月)-23日(木)「The International Symposium on Optical Memory (ISOM `14)」(@ Lakeshore Hotel, Hsinchu, Taiwan)
http://www.isom.jp/
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★11月2日(日)-6日(木)「12th International Conference on Quantum Communication, Measurement and Computing(QCMC 2014)」(@ Hefei, Anhui, China)
http://qcmc2014.ustc.edu.cn/index.php/home
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★2015年1月18日(日)-22日(木)「The 28th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2015) 」(@ Estoril, Portugal)
http://www.mems2015.org/
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10【掲載論文】●機構関係者の論文情報を紹介します(末尾にリスト)
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■【編集後記】処暑入りとともに、ひと頃の猛暑も影をひそめ、ひと時の涼しさを味
わっています。今号ではトムソン・ロイターの高被引用研究者データを取り上げまし
た。機構関係者から3名が選定されていますが、この高被引用研究者とともに、同社
は2013年1年間に最も引用が多く、注目を集めた研究者(Hottest Researchers)も発
表しています。こちらの方は日本の研究機関に所属する該当研究者はいないそうです
が、顔ぶれをみると上位17人中、15人がゲノム分野の研究者。高被引用研究者でも日
本の研究者は物理学分野が多く、分野に偏りがあるのが特徴に見えます。これに対し
てまんべんなく選定されているのが米国で、層の広さ、深さをともに感じさせられて
しまいました。(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
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10【掲載論文】●機構関係者の論文情報を紹介します
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★M. Rajesh, K. Tanabe, S. Kako, K. Kawaguchi, M. Nishioka, Y. Arakawa,
“Metal organic chemical vapor deposition growth of high density InAs/Sb:GaAs quantum dots on Ge/Si substrate and its electroluminescence at room temperature”
Japanese Journal of Applied Physics Vol.53 Iss.4 SI 04EH05 DOI: 10. 7567/JJAP.53.04EH05 Published: APR 2014
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★T. Tajiri, S. Takahashi, A. Tandaechanurat, S. Iwamoto, Y. Arakawa,
“Design of a three-dimensional photonic crystal nanocavity based on a < 110 >-layered diamond structure”
Japanese Journal of Applied Physics Vol.53 Iss.4 SI 04EG08 DOI: 10.7567/JJAP.53.04EG08 Published: APR 2014
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★T. Mizutani, Y. Yamamoto, H. Makiyama, H. Shinohara, T. Iwamatsu, H. Oda, N. Sugii, T. Hiramoto,
“Comparison and distribution of minimum operation voltage in fully depleted silicon-on-thin-buried-oxide and bulk static random access memory cells”
Japanese Journal of Applied Physics Vol.53 Iss.4 SI 04EC18 DOI: 10. 7567/JJAP.53.04EC18 Published: APR 2014
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★Y. Tanahashi, R. Suzuki, T. Saraya, T. Hiramoto,
“Peak position control of Coulomb blockade oscillations in silicon single-electron transistors with floating gate operating at room temperature”
Japanese Journal of Applied Physics Vol.53 Iss.4 SI 04EJ08 DOI: 10. 7567/JJAP.53.04EJ08 Published: APR 2014
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
★Y. Nakamura,
“Superconducting quantum circuits: artificial atoms coupled to 1D modes”
in “Quantum Machines: Measurement Control of Engineered Quantum Systems” Lecture Notes of the Les Houches Summer School: Volume 96, July 2011 Edited by M. Devoret, B. Huard, R. Schoelkopf, and L. F. Cugliandolo (Oxford University Press, 2014), Chap.18, pp.557-564. Published May 1, 2014
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
★M. Kobayashi, I. Muneta, Y. Takeda, Y. Harada, A. Fujimori, J. Krempasky, T. Schmitt, S. Ohya, M. Tanaka, M. Oshima, VN. Strocov,
“Unveiling the impurity band induced ferromagnetism in the magnetic semiconductor (Ga,Mn)As”
Physical Review B Vol.89 Iss.20 205204 DOI: 10.1103/PhysRevB.89.205204 Published: MAY 19 2014
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★Y. Nakata, M. Koashi, M. Murao,
“Generating a state t-design by diagonal quantum circuits”
New Journal of Physics Vol.16 053043 DOI: 10.1088/1367-2630/16/5/053043 Published: MAY 22 2014
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★J. Kamioka, T. Kodera, K. Takeda, T. Obata, S. Tarucha, S. Oda
“Charge noise analysis of metal oxide semiconductor dual-gate Si/SiGe quantum point contacts”
Journal of Applied Physics Vol. 115, Iss. 20, 203709, Published: MAY 2014
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★H. Kiyama, T. Fujita, S. Teraoka, A. Oiwa, S. Tarucha
“Electrically tunable spin filtering for electron tunneling between spin-resolved quantum Hall edge states and a quantum dot”
Appl. Phys. Lett. Vol. 104, Iss. 26, Pages: 263101, Published: JUNE 2014
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★Y. Miwa, J. Yoshikawa, N. Iwata, M. Endo, P. Marek, R. Filip, P. van Loock, A. Furusawa,
“Exploring a New Regime for Processing Optical Qubits: Squeezing and Unsqueezing Single Photons”
Physical Review Letters Vol.113 Iss.1 013601 DOI: 10.1103/PhysRevLett. 113.013601 Published: JUL 2 2014
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★A. Aharony, S. Takada, O. Entin-Wohlman, M. Yamamoto, S. Tarucha
“Aharonov-Bohm interferometry with a tunnel-coupled wire”
New Journal of Physics, Vol. 16, Iss. 8, Pages: 083015, Published: AUGUST 2014
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★K. Inomata, K. Koshino, Z. R. Lin, W. D. Oliver, J. S. Tsai, Y. Nakamura, and T. Yamamoto
“Microwave down-conversion with an impedance-matched \Lambda system in driven circuit QED”
Physical Review Letters Vol. 113, 063604-1-5, Published: Aug 2014 with Editors’ Suggestion
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★A. Mohamed, M. Fujiwara, H. Takashima, S. Takeuchi,
“Numerical simulations of nanodiamond nitrogen-vacancy centers coupled with tapered optical fibers as hybrid quantum nanophotonic devices”
Optics Express, Vol.22 Iss.17 20045 DOI:10.1364/OE.22.020045 Published: 25 Aug. 2014
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