地域産学官連携科学技術振興事業費補助金
<イノベーションシステム整備事業>
「先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム」
『ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点』における達成目標


(1)拠点化構想の概要

 東京大学が、キャンパス・部局の枠を超えた総長直轄の研究組織として設立したナノ量子情報エレクトロニクス研究機構は、ナノ技術、量子科学、IT、エレクトロニクス先端融合分野の研究拠点として既に国内外で広く認知されている。今後、産学官融合連携、国際連携の中核組織としてイノベーション創出に向けた研究開発を推進することにより、本機構を世界的拠点の一つとしてその地位を確立する。
 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構内に設立した東大―企業ラボの一層の充実をはかる。T型産学連携を積極的に推進し、ビジョンを共有した産学協働の実施とともに新しいシーズの育成を図る。長期的視点に立脚した産学連携研究開発の推進を実現するために、知的財産などについて学内特区的な取り扱いを必要に応じてさらに実施する。
 従来の工学、理学などの枠を超えた新しい学術融合領域に立脚した国際的人材育成を行うために、自立支援研究者、外国人及び女性の登用をさらに積極的に行う。また、教員が企業で活動するなど、多様な人材流動化を可能にする仕組みの構築を図る。そのために必要であれば制度改革を実施する。また、研究科の枠を超えた教育プログラムを充実させ、企業における集中講義などを通じて、深い基礎力を有し分野横断的に産業的出口を俯瞰できる人材を育成する。

(2)中間時(7年目)における具体的な目標

 部局の枠を越えて設立されたナノ量子情報エレクトロニクス研究機構において、T型産学連携および国際連携をさらに充実させるとともに、他の外部資金も積極的に活用することにより、世界拠点にふさわしい体制の充実をはかる。そのためには、教員ポストの拡充を必要に応じて行うとともに、海外の研究機関との連携を強化する。また、ナノ技術、量子科学、ハードウェアを中心としたITに総合的に取り組む国際的人材育成を行うために、自立支援研究者、外国人機構研究者それぞれについて雇用実績総数の10%以上、25%以上を達成する。また、女性の登用を積極的に行う。さらに、エフォート率に応じた柔軟な雇用の仕組みや、知的財産の取り扱いについて、必要に応じて改革を積極的に図る。
 研究開発においては、次世代ナノエレクトロニクスと量子情報エレクトロニクスを機軸にして推進する。次世代ナノエレクトロニクスについては、量子ドットレーザの高性能化(25Gbps@1.3 μm動作実証)をはかりイノベーション創出の可能性実証を行うとともに、フレキシブルエレクトロニクスにおける有機CMOS集積回路の高速動作実証(リングオシレータ発振周波数40kHz動作実証)及び光電子融合技術の基盤技術開発(シリコン基板上量子ドットレーザ等)を推進する。
 量子情報エレクトロニクスについては、量子暗号通信システム実現に向けて、高速1.5μm帯単一光子発生器(20MHz動作実証)を開発する。また、単一光子量子暗号通信技術に関しては、量子鍵伝送の長距離化(伝送距離50km@生鍵生成レート100bps動作実証)を図るとともに、量子中継など量子ネットワーク実現に向けた基礎研究を推進する。

(3)終了時(10年目)における具体的な目標

 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の充実を一層図るとともに、人材育成プログラムのさらなる改善を図り、自立支援研究者、外国人機構研究者それぞれについて雇用実績総数の15%以上、30%以上を達成する。また、女性の登用をさらに積極的に行う。
 研究開発については、量子ドットレーザのさらなる高性能化(温度安定動作実証25Gbps@1.3μm、低チャープ10Gbps@1.3μm動作実証)、フレキシブルエレクトロニクスの実用化可能性実証(有機CMOS素子 5MHz 動作実証等)、高速1.5μm帯単一光子発生器技術(駆動周波数サブGHz動作実証)及び都市内光ネットワークをターゲットとした長距離単一光子量子鍵配布技術の確立(80km生鍵伝送実証)を図るとともに、電子スピンと光子状態間の量子情報転写技術をはじめとする小規模量子演算実現可能性を立証する。これらにより、ナノ技術、量子科学、IT融合 による安全・高効率・グリーンなユビキタスIT 社会に向けてイノベーションを図る。


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