<第3回ナノ量子情報エレクトロニクス公開セミナー報告>
平成19年5月28日
東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構


「私の研究歴 50年の歩み MAVERICK、個に生きる」

盛況だった「江崎玲於奈先生特別講演会」


 4月9日(月)17時から駒場リサーチキャンパスで、東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構主催による「江崎玲於奈先生特別講演会」が開かれました。本機構が発足以来、毎月開催する「ナノ量子情報エレクトロニクス公開セミナー」の一環として開催したものです。研究機構が推進する先端融合COE「ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点」プロジェクトの諮問委員長も務める江崎先生が、周知の通り07年1月に日本経済新聞に「私の履歴書」を執筆されました。これを契機に改めてこれまでの研究人生について、直接、江崎先生から伺う趣旨で、今回、「公開セミナー」を一般向けにも拡大して開催しました。講演タイトルは「私の研究歴 50年の歩み MAVERICK、個に生きる」で、質疑も含めて約90分にわたる大熱演となりました。250名余定員の生産技術研究所An棟コンベンションホールは満席となり、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
 講演会は荒川泰彦機構長の司会で始まり、岡村定矩理事・副学長が開会の挨拶を述べ、江崎先生の講演に入りました。講演の中では、幼少期からの貴重な写真や資料などをふんだんに示しながら、家庭や教育環境が人格形成に果たした役割や半生にわたる研究歴を踏まえて、後進に託すメッセージなどを熱く語りました。
 特に科学分野における20世紀の2大業績といわれる「量子力学誕生と固体エレクトロニクス」、「遺伝子構造解明と分子生物学」のうち、江崎先生は前者に関わってきたわけですが、その中で提案した超格子構造について、関連業績を振り返りながら、研究者にとって、一匹狼を意味するMAVERICKという「個」の大切さ、「30にして立つ」という独立心が創造性を生み出すこと、「Experts are not always right(専門分野の権威といえども、いつも正しいとは限らない)」などの重要なメッセージを具体的経験に基づいて発せられ、感銘を受けました。質問の部でも硬軟織り交ぜた内容の質問が出され、江崎先生の軽妙な応答で会場を沸かせました。
 最後に前田正史生産技術研究所長が閉会挨拶に立ち、約1時間半に渡る特別講演会に幕を閉じました。

写真は講演会風景です。