野村政宏教授らの共同研究グループはシリコン膜表面をわずかに酸化させるだけで、熱放射を倍増させることに成功しました。シリコン膜表面をわずかに酸化させることで、酸化膜界面の格子振動により表面フォノンポラリトンという光と格子振動の連成波を熱励起し、シリコン膜からの熱放射を倍増させました。誘電体膜を数10ナノメートルまで薄くしないとプランクの熱放射則を上回る熱輻射は得られないという、従来の定説を覆し、丈夫で扱いやすい支持構造を有した半導体からでも空間への放熱をより効率的に行えることを示しています。この研究はフランス国立科学研究センター(CNRS)と共同で行われ、成果論文が5月3日付の「Physical Review Letters」online版に公開されました。
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