岩本敏教授、太田泰友客員准教授（慶応義塾大学准教授）らの国際共同研究チームは、伝搬する電磁波の中に周期的な３次元トポロジカル構造を生成することに初めて成功しました。近年、理論的に予測されている３次元トポロジカル構造のホプフィオンは、実際には固体や電磁波などいくつかの物理系で観測され、高密度かつ安定にデータを保存・転送できる媒体として注目を集めていましたが、工学応用にはホプフィオン結晶状態の作製が不可欠でした。今回、２つの周波数に対し、自由空間内を伝搬する電磁波の偏光状態と空間強度分布を適切に設計し、その重ね合わせを作ることで、偏光状態が時間的空間的に変化し、４次元時空内にホプフィオンの３次元構造を周期的に作り出すことに成功しました。この成果は光通信や無線通信へ利用することで、転送容量・エラー耐性を飛躍的に高めることが期待されます。同時に物質中にトポロジカル３次元構造を創り出し、操作する技術開発の道筋の開拓にもつながります。この国際共同研究チームには東京科学大学総合研究院の林文博助教、シンガポール南洋理工大学の研究者が加わっています。この成果論文は「Physical Review Letters 」8月21日付オンライン版に公開されました。
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