野口篤史准教授らは理化学研究所および情報通信研究機構と共同で高品質な窒化チタン薄膜とスパイラル形状を組み合わせた独自設計により、長寿命性の指標となる内部Q値が世界最高水準の平面型超伝導共振器の開発に成功しました。平面型の共振器は集積性に優れる半面、表面におけるエネルギー損失が大きく、3次元空洞構造の共振器に比べ、性能面で不利とされてきました。今回、スパイラル形状による電場分布の制御によってエネルギー損失の原因となる表面への電場集中を抑制し、量子性が顕著になる単一光子レベルで1000万、高パワー下で1億に迫る内部Q値を達成しました。これにより量子情報を長時間保持できる量子メモリや誤り訂正量子計算の実現に向けた基盤技術として期待されます。この成果論文が6月13日付科学雑誌「EPJ Quantum Technology」オンライン版に公開されました。
[Link]