齊藤英治教授らの研究グループは、一見、温度勾配のない物質中にも、ミクロスケールでは空間的、時間的な温度変動である温度揺らぎがあり、これを利用した「非線形」な熱電効果の実証に成功しました。今回、温度揺らぎを利用するため、温度勾配の二乗に比例した電場が生じる「非線形」な熱電効果を、選択的に検出する測定手法を開発し、磁性体Y2Fe5O12上に作製した第2種超伝導体MoGe薄膜中の熱電電圧が入力の温度勾配に対して2次の非線形性を示すことを発見しました。この成果は非平衡温度揺らぎを検出するセンサや巨視的な温度勾配がない状況下でも非平衡温度揺らぎから発電可能な全く新しい環境発電素子の動作原理となる可能性を生み出すものです。この成果論文は 8月26日付英国科学雑誌「Nature Communications」に公開されました。
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