大矢忍教授、新屋ひかり大学院工学系研究科特任教授らの共同研究グループは強磁性半導体(Ga,Mn)Asにおける電気伝導特性が特異なふるまいを示す原因を新しい第一原理計算により解明することに成功しました。(Ga,Mn)Asの電気伝導特性は、低温では金属的ふるまい、高温では半導体的なふるまいを示し、これまで30年間、謎とされてきました。今回、新たに「有限温度における電気伝導特性を予測可能な第一原理計算手法」を開発し、低温ではスピン揺らぎが、高温では原子振動の効果がそれぞれ優位に働いていることを明らかにしました。これにより強磁性半導体の応用開発に弾みがつくと同時に、今回開発した第一原理計算の新手法は、他の材料系にも適用でき、新材料開発への貢献が期待できます。この共同研究には、産業技術総合研究所、大阪大学の研究者も加わり、成果論文は11月14日付科学誌「APL Materials」オンライン版に公開されました。
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