機構主催による「東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構設立15周年記念シンポジウム」が11月9日(火)に約200名の参加を得てオンライン開催されました。平川一彦機構長の開会あいさつの後、岡部徹生産技術研究所長、染谷隆夫工学系研究科長のお祝いの各挨拶、藤井輝夫東京大学総長からもご多忙の中、特別講演をいただくなど、15年前の設立記念シンポジウムを想起させる挨拶と講演が続きました。
 機構からは設立に関わった初代機構長の荒川泰彦特任教授から「ナノ量子機構はどこに向かうか~設立から15周年を経て」のタイトルで、これまでの国家プロジェクトの足跡から今後の方向性を含めた講演がありました。続いて中村泰信教授、田中雅明教授から最先端の超伝導量子コンピュータ、スピントロニクスの各研究紹介がありました。この機構設立とほぼ同時期にスタートしたQDレーザ社の菅原充社長からはこれまでの同社の発展と現況について、報告がありました。岩本敏教授からはトポロジカルフォトニクスの最先端について報告があったほか、武田俊太郎准教授から光量子コンピュータ、野口篤史准教授からハイブリッド量子回路、関野正樹教授からは固体量子センサを用いた生体磁気計測の最先端について、機構との関わり合いを交えながらそれぞれ講演がありました。
 最後に古澤明教授が閉会挨拶で締めくくりました。量子コンピュータへの関心の高まりを反映したのか、産業界、他大学の研究者の参加も多く、内外の量子拠点としての役割の重要性を再認識させられました。

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