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1【活動報告】●2月22日に第8回PIセミナーを開催しました
2【受賞情報】●QDLがPRISM賞を、荒川先生が米工学アカデミー外国会員に
3【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
4【周辺情報】●2月13日に第7回光電子融合ワークショップを開催しました
5【新刊紹介】●中村先生が登場する先端研など編集の新刊が上梓されました
6【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
7【論文関連】●応物誌に北村先生の“論理回路用有機トランジスタ”の紹介論文
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☆★☆記事内容★☆★
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1【機構活動】●2月22日に第8回PIセミナーを開催しました
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★機構は2月22日(水)に東京大学生産技術研究所で「次世代データコムに向けた
フォトニクス技術」をテーマに「第8回フォトニクス・イノベーション(PI)セミ
ナー」を開催しました。講師に日本オクラロの井上宏明執行役員兼CTO、東京工業大
学の西山伸彦准教授をお招きし、それぞれ「次世代データコムに向けたフォトニクス
技術」、「Inter/Intraチップ光回路に向けた異種基板接合半導体レーザ技術」と題
して貴重な講演を聴くことができました。
上條健特任教授の司会のもと、荒川泰彦機構長が開会の挨拶の後、日本オクラロの
井上執行役員兼CTOから光トランシーバ業界を俯瞰する形で光トランシーバの歴史と
現状、今後の課題について講演がありました。オクラロの社史に触れながら、かつて
データコムの時代から現在のI o Tやクラウドコンピューティングに変貌する中で、
データセンタの発展とその処理の要となる光トランシーバへの技術的要求について詳
細な内容が披露されました。
今後の動向について、データセンタはますます高性能・高機能化が進み、光トラン
シーバ市場の変化する様子などが述べられました。シリコンは量産で発展してきた
が、光素子は量産が困難で、次世代といわれるシリコンフォトニクス技術はシリコン
の発展と同期がとりやすいのではないかという今後の展望も示されました。
次いで西山東工大准教授から、シリコン上ゲルマレーザも簡単にできる状況でな
く、シリコン基板に??族レーザを接合で形成するのが課題とし、シリコン基板への
光源の接合技術について講演がありました。
とくにプラズマを照射して界面をクリーンにしながら異種材料を接合するプラズマ
活性化接合について研究紹介があり、低温接合と低しきい値電流密度を達成している
などの成果も紹介されました。またチップ内光配線に向けて、数100nm程度の薄い? ?
族半導体層をSiO2などで挟んだ光閉じ込めを強めた薄膜(メンブレン)構造の作製
にも取り組んでおり、実際に数100μAのしきい値をもつ半導体レーザを試作した例な
どが紹介されました。
両講演とも質疑が活発に出され、東工大のスパコンTSUBAMEにシリコンフォトニク
スが使われているのかどうかまで含め、議論が盛り上がりました。
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2【受賞情報】●QDLがPRISM賞を、荒川先生が米工学アカデミー外国会員に
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★QDレーザが1月27日(金)から6日間、米国・サンフランシスコで開催された「SPIE
Photonics West」にて、最終日の2月1日(水)にPRISM Awardを産業用レーザ部門で
受賞しました。授賞対象となった製品は、同社の量子ドットレーザ製品の1つである
極短パルスのファイバレーザ励起用種光源(Ultra-Short Pulsed Seeder for Fiber
Laser)です。PRISM Award 2017では、産業用レーザ部門でQDレーザ含め、3社が
finalistに残っていましたが、最終的に同社が獲得しました。
↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://www.photonicsprismaward.com/winners.aspx?year=2017
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★荒川泰彦教授が米国工学アカデミー(National Academy of Engineering=NAE)の
外国人会員(Foreign Member)に選出されました。NAEが2月8日(水)に84名の新会
員とともに22名の外国人会員の選出をリリースしたもので、荒川教授は量子ドット
レーザと関連ナノ光素子への貢献が評価されました。NAEは米国科学アカデミー
(NAS)、米国医学研究所(IOM)、米国研究評議会(NRC)とともに、全米アカデ
ミーズ(NAC)を構成し、連邦政府への諮問などの役割を担っています。NAEは独自の
顕著な業績をあげた工学者を毎年新会員として、既会員が自律的に選出しており、こ
の会員に選出されることは、工学者にとって大きな栄誉と考えられています。
NAEのプレスリリースおよび、これまでの日本の外国人会員一覧を下記にリンクし
ました。正式には10月8日(日)にワシントンD.C.で開催されるNAE総会で、業績紹介
とともに任命されます。
↓↓↓詳しくは(プレスリリース)↓↓↓
https://www.nae.edu/Projects/MediaRoom/20095/164396/165210.aspx
↓↓↓日本人会員一覧↓↓↓
http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/pdf/NAE_ForeignMembers_2017.pdf
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3【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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★ASCII STARTUPにQDレーザの菅原充社長のインタービュー記事が2月3日付でアップ
されました。ASCIIの起業ウェブサイトで、菅原社長の起業に至った経緯から、レー
ザアイウェア、量子ドットレーザ、LSIチップ間光インタコネクト光源技術など、同
社の製品化の現状についてインタビューに答えています。
◎ASCII STARTUP 2月3日付 視覚の再定義すらあり得るすごいレーザーアイウェア
視力がなくても見える!網膜にビジョンを映すQDレ−ザ
http://ascii.jp/elem/000/001/428/1428515/
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★“量子で超高速計算”という見出しで、従来のコンピューターと比較しながら、量
子コンピュータを浮き彫りにする記事が2月12日付朝日新聞に掲載されました。中村
泰信教授のNEC時代に固体で初めて量子振動を実現した成果のほか、30μs間、重ね合
わせ状態の保持を実現した最近の成果も紹介されています。大阪大学産業科学研究所
の大岩顕教授、内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の山本喜久プログラ
ム・マネージャー、竹内繁樹京都大学教授ら、機構関係者の量子コンピューターにつ
いての談話なども紹介されています。
◎朝日新聞 2月12日付35面 科学の扉
量子で超高速計算 スパコンしのぐ能力に期待
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12793493.html
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★光電子融合基盤技術研究所(PETRA)などが開発した、プロセッサー間を省電力・
大容量でつなぐ光配線技術について、半導体分野最大の国際会議「ISSCC 2017」で招
待講演したことが報道されました。NEDOの「超低消費電力型光エレクトロニクス実装
システム技術開発」プロジェクト(プロジェクトリーダー・荒川泰彦教授)が開発し
た成果について、同会議のFORUM 5 Wireline Transceivers for Mega Data Centers:
50Gb/s and Beyondで、PETRAの早川明憲氏が招待講演を行いました。
◎産業新聞 2月13日付13面 NEDO 光配線技術 米で成果発表
◎日刊工業新聞 2月23日付25面 シリコンフォトニクス使用
省エネ光配線実現 PETRAが技術
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★米国で行われるモノづくりスタートアップコンテストの日本予選「モノづくりハー
ドウエアカップ2017」が2月15日(水)に大阪で開かれ、QDレーザが優勝した様子が
報道されました。日本予選では、4月に米ピッツバーグで開催される決勝への進出
チーム3社が選出され、その中でQDレーザの網膜直描型レーザアイウェアが最高得点
を獲得し、優勝しました。
◎日刊工業新聞 2月16日付33面 QDレーザなど決勝へ
米モノづくり起業コンテスト
大阪で予選、投資家ら注目
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4【周辺情報】●2月13日に第7回光電子融合ワークショップが開催されました
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★2月13日(月)に東京大学生産技術研究所An棟中セミナー室で光電子融合研究セン
ター(CPEC)主催による「第7回光電子融合ワークショップ」が開催されました。荒
川泰彦CPECセンター長の開会挨拶の後、田中嘉人助教(志村研究室)が「金属ナノ
モーター駆動マイクロマシンの作製」、石井和之教授が「光で操る分子の機能」、寒
川哲臣客員教授(NTT物性科学基礎研究所長)が「表面弾性波を用いた動的ナノ構造
の形成と光物性評価」、影山健生ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構特任研究員
が「半導体量子ドットの結晶成長とレーザ応用」と題してそれぞれ講演がありまし た。
いずれの講演も分野を異にするものの、ナノ構造を共通に、光の動力源や情報転
送、光を発生するデバイスなど、CPECならではの興味ある講演でした。とくにプラズ
モニックナノモーターの実現に向けた研究や、分子とその光機能発現のうえで集積
化・複合化技術の重要性、表面弾性波による空間変調、量子ドットレーザの開発から
量産移行に果たすMBEのメリットなど、それぞれ含蓄に富んだ講演がありました。会
場を埋め尽くすほど参加者が詰めかけ、質問も活発に出され盛況なワークショップと
なりました。
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5【新刊紹介】●中村先生が登場する先端研など編集の新刊が上梓されました
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★東京大学先端科学技術研究センターなど編集の「ブレークスルーへの思考 東大先
端研が実践する発想のマネジメント」が12月22日(木)に刊行されました。先端研の
広報誌「RCAST NEWS」で研究内容について紹介された同研11名の先生の対談インタ
ビューを改めてまとめたものです。その中で中村泰信教授が“ブレイクスルーからの
創造”の項で、「先行研究と議論の結実 逆転による創造」と題して登場していま
す。中村教授が、NEC時代の99年にNature誌表紙を飾った固体で初めて実現した量子
重ね合わせ実験から最近の研究や今後の物理の方向性まで、量子情報の世界を一般に
もわかりやすくインタビューに答えています。東京大学出版会刊、B6判259ページ、
税抜き2200円。
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6【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★6月4日(日)−5日(月)「Silicon Nanoelectronics Workshop 2017 (SNW2017)」
(@Rihga Royal Hotel Kyoto, Horikawa-Shiokoji, Shimogyo-ku, Kyoto)
http://annex.jsap.or.jp/snw/index.html
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★6月5日(月)−7日(水)「Optical Interconnects Conference 2017(OI 2017)」
(@Hilton Santa Fe Historic Plaza, Santa Fe, New Mexico USA)
http://www.oi-ieee.org/
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★6月5日(月)−8日(木)「2017 Symposia on VLSI Technology and Circuits」
(@RIHGA Royal Hotel Kyoto, Horikawa-Shiokoji, Shimogyo-ku, Kyoto)
http://www.vlsisymposium.org/
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★6月18日(日)−21日(水)「The 6th International Symposium on Organic and
Inorganic Electronic Materials and Related Nanotechnologies (EM-NANO 2017)」
(@Fukui Prefectural Hall in the AOSSA building, Fukui)
http://polymer.apphy.u-fukui.ac.jp/~em-nano2017/
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7【論文関連】●応物誌に北村先生の“論理回路用有機トランジスタ”の紹介論文
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★応用物理学会の和文機関誌2月号に北村雅季神戸大学教授の執筆による「論理回路
応用のための有機トランジスタ」と題した研究紹介が掲載されています。文部科学
省・先端融合領域イノベーション創出拠点プログラムのナノ量子情報エレクトロニク
ス連携研究拠点プロジェクトで取り組んだ研究成果を中心に、有機トランジスタの微
細化と論理回路応用の到達点、今後の課題についてまとめられています。
↓↓↓OYOBUTURI↓↓↓
https://www.jsap.or.jp/ap/2017/02/ob860122.xml
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■【編集後記】寒暖の差が厳しい日が続きますが、梅も満開となり、花見の季節を迎
えました。今号から機構メンバーの論文紹介コーナーを取りやめました。同コーナー
の作成手間がかかるという編集子の事情のみによるものです。本来ですと、バラエ
ティーに富む研究が多く、幅広く紹介する意義もあったかと思います。今号では、神
戸大の北村教授の応物学会誌の論文紹介を兼ねて項目立てをしました。もちろん、応
物学会誌は皆さん読まれているとは思いますが、機構関連の研究成果については、今
後もこのような論文紹介を試みたいと思います。(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
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