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1【機構活動】●2月28日に東北大で第15回PIセミナーを開催します
2【活動報告】●1月末に駒場で光集積ロードマップのIPSR-I Winter Meeting開催
3【最終講義】●樽茶副機構長の最終講義が3月13日工学部6号館で開かれます
4【受賞情報】●中村教授、QDレーザ、染谷教授に各賞が贈呈
5【新刊紹介】●「量子コン/イジング型コンピュータ 研究開発最前線」上梓
6【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
7【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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☆★☆記事内容★☆★
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1 【機構活動】●2月28日に東北大で第15回PIセミナーを開催します
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★機構は2月28日(木)14時から仙台市の東北大学青葉山キャンパスで「第15回フォ
トニクス・イノベーション(PI)セミナー」を開催します。今回のテーマはトポロジ
カルフォトニクスやバイオイメージングなどの最先端フォトニクス技術を取り上げま
す。同セミナーは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)プロ
ジェクト「超低消費電力型光エレクロニクス実装システム技術開発事業」(プロジェ
クトリーダー=荒川泰彦東京大学特任教授)に関わる成果普及と人材育成を目的とし
たフォトニクス・イノベーション共創プログラムに基づいて、社会人、大学院生・学
部生を対象に実施しているセミナーです。参加無料。昨年10月の京都大学での開催に
引き続き、東北大での巡回開催となります。会場は同大青葉山キャンパス・工学部電
子情報システム・応物系1号館2F大会議室です。

 今回の講師には、機構准教授でもある岩本敏東京大学生産技術研究所准教授が“ト
ポロジカルフォトニクス:トポロジーを活用した光制御”と題して講演します。トポ
ロジーという電子における新しい物理をフォトニクスにアナロジー化し、近年、超低
損失な導波路や高機能レーザなどへの応用が期待される新しい光制御法について、原
理から応用、最新の成果到達点までわかりやすく解説します。続いて小関泰之同大工
学系研究科電気系工学専攻准教授が“誘導ラマン散乱による生体の振動分光イメージ
ング”と題して講演します。生体細胞分子の振動周波数をとらえるラマン散乱光を用
いる新手法で、透明な細胞でも染色することなく、カラフルな画像で識別できる新し
い分子認識技術について基礎から応用展開まで講演する予定です。いずれも光分野の
新領域で興味ある内容の講演と期待されます。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://picc.iis.u-tokyo.ac.jp/eventdetail/photonics-innovation-seminar-15th/

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2【活動報告】●1月末に駒場で光集積ロードマップのIPSR-I Winter Meeting開催
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★1月31日(木)および2月1日(金)2日間に渡り、東京大学駒場リサーチキャンパス
で、光電子集積システムのロードマップを策定する「Integrated Photonic Systems
Roadmap International(IPSR-I) Winter Meeting in Japan 2019」(プログラム委
員長=荒川泰彦特任教授)がアジアで初めて開催されました。

 IPSR-Iは米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)のKimerling教授が1997年から始
めたCommunication Technology Roadmap(CTC)会議を引き継いで、2017年より
IPSR-Iとして開催されてきました。昨年、欧州のPhoton Deltaが主宰するEU World
Technology Roadmap Forumがこれに加わり、今回、アジアにおいて初めて開催したこ
とで、世界レベルの光電子集積回路のロードマップ作りに向けて進展しました。

 同会議は日本の東京大学、光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、産業技術総合研
究所(AIST)がホストとなり、日本をはじめ、米国、欧州および中国、台湾などのア
ジア勢も含めた、シリコンフォトニクス分野の産学関係者が出席し、現状の光集積回
路の到達状況と将来のシリコンフォトニクス技術の展望について、熱心に討論を行い
ました。6月には2019年版ロードマップ作りに向けてSpring Meetingが開催される予
定です。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://photonicsmanufacturing.org/

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3【最終講義】●樽茶副機構長の最終講義が3月13日工学部6号館で
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★本機構副機構長の樽茶清悟教授(工学系研究科)が平成30年度末で定年退職を迎え
られます。それを記念する最終講義が3月13日(水)午後15時半から17時まで本郷
キャンパス工学部6号館2階63号講義室で行われます。最終講義のタイトルは「量子情
報エレクトロニクス-技術と物理の協奏」です。皆様のご来場をお待ちしておりま
す。

 樽茶副機構長は、NTT基礎研究所を経て、1998年本学理学系研究科物理学専攻に教
授として奉職、2005年には工学系研究科物理工学専攻に転じられて以降も、量子情報
の物理とハードウェアの実験研究に向けて多大な成果を上げてこられました。世界的
に量子コンピューターが注目を集める中、最終講義では、これまでの足跡と今後の活
躍に向けたご講演が期待されます。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/info/H30last_lecture_Mar.html#foe
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400108992.pdf

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4【受賞情報】●中村教授、QDレーザ、染谷教授に各賞が贈呈
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★中村泰信教授(先端科学技術研究センター)に応用物理学会の第19回(2018年度)
業績賞(研究業績)が贈られることが2月1日(金)に応用物理学会から発表されまし
た。授賞テーマは「超伝導量子ビットの実現と量子技術応用に関する先駆的研究」
で、授賞式は東京・大岡山の東京工業大学で開催される2019年 第66回応用物理学会
春季学術講演会3日目の3月11日(月) 9時から11a-S423会場(南4号館2F)で行われ
ます。引き続き受賞記念講演が同会場で「超伝導量子ビット―20年とこれから」と題
して行われます。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.jsap.or.jp/outstanding-achievement-award/recipients/recipients19

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★QDレーザが米国・サンフランシスコで開催されたSPIE Photonic West 2019で同社
の網膜直描型ディスプレー・RETISSA DisplayがVision Technology 部門でPRISM
AWARDS 2019 を2月6日(水)に受賞しました。同製品の技術や応用展開がVision技術
部門で世界的に高く評価された結果といえます。また、同社がPRISM AWARDを受賞す
るのは、2017年の加工用ファイバレーザ励起用超短パルス種光源「Ultra-short
Pulsed Seeder for Fiber Laser」に次いで2回目となります。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://www.photonicsprismaward.com/winners.aspx
http://spie.org/conferences-and-exhibitions/photonics-west/highlights-photos-and-more

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★染谷隆夫教授(工学系研究科)が中谷医工計測技術振興財団の中谷賞を受賞するこ
とが2月8日(金)に同財団後援のシスメックスから発表されました。同賞は医工計測
技術について優れた業績を挙げ、現在でも活発な研究活動を行っている研究者に与え
られる賞で、染谷教授への授賞理由は「伸縮性エレクトロニクスによる生体情報計測
の先駆的研究」です。授賞式は2月22日(金)に東京・日本橋のマンダリンオリエン
タル東京で行われました。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2019/190208_j.pdf
https://www.nakatani-foundation.jp/achievements/nakatani_award_achievements_list/

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5【新刊紹介】●「量子コン/イジング型コンピュータ 研究開発最前線」上梓
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★機構関係者が執筆陣に加わった量子コンピュータの総合解説書「量子コンピュータ
/イジング型コンピュータ 研究開発最前線 ~基礎原理・最新技術動向・実用化に
向けた企業の取り組み~」が2月末に総研機構から上梓されます。量子コンピュータ
が話題に上る頻度が多くなる中、その解説書が少ないといわれます。同書は実際の研
究開発をしている専門家ができるだけわかりやすくかつ正確な解説を試みた書。

 機構関係者では樽茶清悟教授(工学系研究科、理化学研究所)が第2章 量子コン
ピュータハードウェアの第3節シリコン量子ドット構造による超高精度量子ビット素
子の開発、武田俊太郎助教(古澤研究室)が同章の第5節大規模光量子コンピュータ
実現に向けたアプローチ、富士通研究所の竹本一矢グループディレクターが第5章イ
ジング型コンピュータハードウェアの第3節大規模組合せ最適化問題を高速に解く
「デジタルアニーラ」技術について、それぞれ執筆しています。B5判263ページ。定
価56,000円(税抜き)。2月25日に発刊。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.johokiko.co.jp/publishing/BC190201.php?gclid=EAIaIQobChMIta7QkuXG4AIVGa6WCh3UbAYFEAMYASAAEgIC2fD_BwE

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6【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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★テレビ東京のワールドビジネスサテライト番組内でイノベーションを社会に起こす
ベンチャー企業を紹介する“イノベンチャー列伝”でQDレーザの網膜直描型ディスプ
レー「RETISSA Display」が取り上げられ、ウェブで紹介されています。

◎テレビ東京 イノベンチャー列伝 1月28日 「レーザーで目に映像を…」
                      未来のメガネが”見る”を変える!?
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2019/018843.html

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★「高校生による江崎玲於奈賞受賞者研究室の見学会」が昨年末、第15回江崎玲於奈
賞受賞者の平川一彦教授(生産技術研究所)の研究室を訪れて行われました。同見学
会は茨城県科学技術振興財団(理事長江崎玲於奈氏)と江崎玲於奈賞協賛の関彰商事
(関正樹社長)が共催する高校生の“科学の芽”を育む事業の一環で、平川研究室の
見学記が茨城新聞2月6日付に関彰商事の企画広告として掲載されました。茨城県南西
地区の高校生12人が平川研究室を訪れ、平川教授の説明や外国人研究者からの説明も
受け、「技術と科学の違いについて」など、印象深い感想を述べた見学記も掲載され
ています。また茨城県科学技術振興財団HPでも見学記を掲載しています。

◎茨城新聞  2月6日付8面 高校生の“科学の芽”を育む 関彰商事
             「昨日より自分は進歩したか」
             「江崎賞」平川教授を訪問
↓↓↓(関彰商事HPより)↓↓↓
http://www.sekisho.co.jp/sekisho/wp-content/uploads/2019/02/6026a5e8127b4f4a62427a972437ce44.pdf
↓↓↓(茨城県科学技術振興財団HPより)↓↓↓
https://www.i-step.org/news/20181215kennkyuusitukenngaku

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7【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★4月24日(水)-26日(金)「IEEE Optical Interconnects Conference 2019
(IEEE OI 2019)」(@HILTON SANTA FE HISTORIC PLAZA, Santa Fe, New Mexico,
US)
https://ieee-oi.org/

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★6月9日(日)-14日(金)「2019 Symposia on VLSI Technology and Circuits 」
(@Rihga Royal Hotel Kyoto, Shimokyoku, Kyoto)
http://vlsisymposium.org/

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★6月23日(日)-27日(木)「CLEO/Europe-EQEC 2019」(@ICM Centre of the
Munich Trade Fair Centre, Munich, Germany)
http://www.cleoeurope.org/

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★6月25日(火)-28日(金)「The 9th edition of the largest European
Conference & Exhibition in Graphene and 2D Materials(Graphene 2019)」(@
Rome, Italy)
http://www.grapheneconf.com/2019/organisersCommittees.php

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■【編集後記】寒暖の差の中にも緩みが感じられるこの頃です。今号では2項に先ご
ろ開催された光集積システムのロードマップ国際版(IPSR-I)会議を取り上げまし
た。2日目には、ロードマップ作りの6つの分科会も開催されました。幸い、誰でも参
加できる分科会もあり、私のような門外漢でも参加し、貴重な経験をすることができ
ました。技術ロードマップでは、半導体のロードマップとして「国際半導体技術ロー
ドマップ(ITRS)」が著名です。半導体技術はムーアの法則に沿って発展してきたと
いわれますが、その具体化目標となったのはITRSの指針。しかし現在、その壁にぶつ
かっていることも確か。光配線技術はITRSでも議論され、その突破口とも期待されて
います。光集積システムのロードマップは、半導体の救世主のみならず、AI、自動運
転やI o Tなど、大量のデータ処理と即時性が求められる分野で、最近、注目度も
アップしているようです。時代とともに新しい飛躍が求められていることは確かとい
えましょう。(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
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