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1【機構活動】●6月16日にSiフォトニクスで第9回PIセミナーを開催します
2【一般公開】●6月2-3日の一般公開はE棟エレベーターホールで展示します
3【特論講義】●6月22日にシャープの材料・エネ研で企業講義を行います
4【活動報告?】●“AIとフォトニクス”でビジョンWSを盛況に開催しました
5【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
6【受賞情報】●山本先生(樽茶研)、菅原QDL社長、野村先生が各賞を受賞
7【活動報告?】●JST・CREST「革新的量子技術基盤の創出」公開シンポを開催
8【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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☆★☆記事内容★☆★
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1【機構活動】●6月16日にSiフォトニクスで第9回PIセミナーを開催します
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★機構は6月16日(金)15時から先端科学技術研究センター13号館講堂で「第9回フォ
トニクスイノベーション(PI)・セミナー」を開催します。「シリコンフォトニクス
技術の進展と展望」と題して、産業技術総合研究所(AIST)の山田浩治電子光技術研
究部門シリコンフォトニクスグループ長が「ポストムーア技術としてのシリコンフォ
トニクス」、竹中充東京大学工学系研究科准教授が「異種材料集積を用いたシリコン
フォトニクス」について、それぞれ講演を行います。皆様のふるってのご参加をお待
ちしております。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://picc.iis.u-tokyo.ac.jp/eventdetail/photonics-innovation-seminar-9th/

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2【一般公開】●6月2-3日の一般公開はE棟エレベーターホールで展示します
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★恒例の東京大学駒場リサーチキャンパス公開が6月2日(金)−3日(土)の2日間、
開催されます。機構もE棟1階エレベーターホールで展示を予定しております。5社
(シャープ、NEC、日立製作所、富士通研究所、QDレーザ)との協働研究成果やNEDO
「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」プロジェクトによる成
果などを展示・説明いたします。なお、駒場リサーチキャンパスの機構各教員研究室
でも多彩な展示を予定しております。皆様のご来場をお待ちしております。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://komaba-oh.jp/

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3【特論講義】●6月22日にシャープの材料・エネ研で企業講義を行います
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★6月22日(木)に工学系研究科および理学系研究科共通科目の「ナノ量子情報エレ
クトロニクス特論」講義の企業集中講義がシャープの材料・エネルギー技術研究所
(千葉県柏市)で行われます。当日は13時20分までに同所で受付後、13時半から17時
半まで講義とフリーディスカッションが休憩をはさんで行われます。当日は同社の研
究開発の紹介のほか、具体的な研究開発事例として採光技術や蓄熱技術など、ユニー
クな省エネ技術について講義が予定されています。

 なお、7月20日(木)には富士通研究所において同特論企業集中講義が予定されて
います。

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4【活動報告?】●“AIとフォトニクス”でビジョンWSを盛況に開催しました
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★機構は5月22日(月)に駒場リサーチキャンパスENEOSホールで「第3回フォトニク
スイノベーション・ビジョンワークショップ」を開催しました。昨今、人工知能
(AI)、IoTの話題が沸騰する中、“AI-IoT時代に向けたコンピューティング技術と
フォトニクス”をテーマに盛況な討論を行いました。まず荒川泰彦機構長から「AI、
コンピュータ、あるいはLSIなど幅広いスコープの専門家による、珍しい講演会とな
りました。NEDOプロジェクトの先にあるものを見据える契機になるよう、様々な視点
から議論していただきたい」と趣旨を含めた開会挨拶がありました。

 最初の講演として喜連川優国立情報学研究所長・東京大学生産技術研究所教授から
「ビッグデータが拓く社会価値創造」と題して、国立情報学研究所が構築している全
国100Gネットの学術情報ネットワークSINET5の意義に触れながら、「ネットワーク帯
域の太さが求められる。データ収集のIoTとデータ解析のAIを合わせて、ビッグデー
タがある。その応用事例として被害規模が大きな水害・洪水などに対するビッグデー
タの貢献が期待される」などと述べました。

 AI研究で注目されている松尾豊東京大学工学系研究科特任准教授は「コンピュー
ティング技術の進化とAI」をテーマに、現在、ブームとなっているAI、とくに深層学
習(Deep Learning)について、現状を説明したうえで、「Deep Learningにより、眼
の誕生に等しいカンブリア爆発が機械やロボットなど、いろいろな産業分野に波及す
ることが期待できる」と予測について述べました。

 また東京大学情報基盤センター長の中村宏情報理工学研究科教授は「スーパーコン
ピューターOakforest-PACSと新たな展開」と題して、国内最高速を誇るスパコン
Oakforest-PACSやデータ解析・シミュレーションの融合を目指したスパコンReedbush
が目指すビッグデータ解析やAIといった新しい分野のニーズに対応する試みなどにつ
いて講演しました。

 「Moor則以降のLSIトレンドとIoT」と題して、平本俊郎生産技術研究所教授はIoT
を背景に半導体産業が世界的には空前の景気をおう歌しているとし、スケーリング則
の将来トレンドについて「これまでもそうであったように、今後も様々な新技術が導
入されてトレンドが維持されるだろう。評価軸が多様になるのが今後の特徴」と述べ
ました。

 最後に森戸健PETRA主幹研究員から「コンピュータ性能向上に向けたフォトニクス
技術」と題してプロセッサー、積層メモリー、光I/Oなどを集積した光電子集積イン
ターポーザ開発状況について報告がありました。とくにビッグデータを背景に、デー
タセンタなどの計算機環境の進展に応じて、プロセッサー間光インターコネクト技術
に向けた開発状況について講演がありました。

 これら講演を受け、岩本敏生産技術研究所准教授の司会により、講演者5名をパネ
ラーとしたパネルディスカッションが行われました。会場からの質問なども含め、光
ネットワーク・計算機環境を利用する立場からのコメントやシリコンフォトニクスな
ど、光技術に向けて助言等の発言がありました。最後に田原修一PETRA専務理事より、
第3期活動に向けた決意表明を含めて閉会挨拶があり、幕を閉じました。

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5【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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★染谷隆夫教授らの世界最高導電率を持つ伸縮性導体を開発した成果が報道されまし
た。ゴムにマイクロメートル大の銀フレークを混ぜるだけで、ナノメートルサイズに
銀粒子が分散する現象を発見し実現したものです。伸縮性を持つ圧力や温度センサー
が繊維に簡単に印刷形成できる成果として実証しました。成果論文が5月15日付
Nature Materials 電子版に掲載されました。
◎マイナビニュース 5月16日付  東大、高性能の導電ゴムを開発
                内部での銀ナノ粒子自然形成現象を発見
http://news.mynavi.jp/news/2017/05/16/187/
◎時事ドットコム  5月16日付  伸縮自在の導電素材=世界最高性能、
                ロボットなど応用−東大
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017051600014&g=soc
◎EE Times     5月17日付  伸縮性導体、5倍に伸ばしても高い導電率を実現
http://eetimes.jp/ee/articles/1705/17/news026.html
◎日経産業新聞  5月19日付 8面 伸び縮みする電線 東大、衣類に貼りやすく
◎日刊工業新聞  5月19日付21面 最高性能の伸縮性導体 東大発見
                ゴム内に銀ナノ粒子
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00428672

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★野村政宏准教授らが固体中を拡散する熱(フォノン)に方向性を与え、かつ1点に
集熱することに初めて成功した成果が報道されました。シリコン薄膜にナノ構造を形
成することにより、拡散する熱流に指向性を与え、1点に集熱することに成功し、激
しい発熱を伴う半導体チップの高度な熱管理制御などにつながる成果です。成果論文
が18日付Nature Communicationsに公開されました。
◎日刊工業新聞  5月19日付21面 固体内の1点に集熱 東大成功
                指向性持たせ制御
http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00428676?twinews=20170521
◎マイナビニュース  5月22日付 東大×JST、
                熱を固体中で特定の方向に流し、一点に集めることに成功
http://news.mynavi.jp/news/2017/05/22/085/
◎EE Times    5月24日付   ICの放熱対策、新たな選択肢:
                東京大学、固体中で特定方向への放熱に成功
http://eetimes.jp/ee/articles/1705/23/news034.html
◎ニュースSALT  5月24日付   熱流を一点に集める「集熱」に成功
                高度な熱マネジメントへの応用に期待
http://newsalt.jp/category/science
◎日経産業新聞  5月29日付 8面 固体中の熱流制御
                東大など、シリコン薄膜に穴

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6【受賞情報】●山本先生(樽茶研)、菅原QDL社長、野村先生の各受賞を紹介
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★樽茶研究室の山本倫久講師が船井情報科学振興財団の第16回(平成28年度)船井学
術賞を4月22日(土)に受賞しました。授賞理由は「固体中の電子相関と量子力学的
自由度の制御と伝送の研究 」です。

↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://www.funaifoundation.jp/grantees/awardees_up_to_now_15.html

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★QDレーザの菅原充社長が4月に「WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017」を受賞しま
した。日本を代表するイノベーター30人の1人として受賞し、そのインタビュー記事
が第1回目に掲載されました。同賞は2016年に『WIRED』日本版がAudiとともにスター
トさせたもので、今回が2回目。年末には本年の表彰式も予定されています。

↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://wired.jp/waia/2017/01_mitsuru-sugawara/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000022539.html

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★野村政宏准教授がベルリンで開催された化合物半導体国際会議であるCSW2017で
ISCS Young Scientist Awardを5月15日(月)に受賞しました。授賞理由は“For
contributions to the development of thermal conduction control technology
in semiconductor thin films by phonon engineering”です。同賞は1986年の創設
で、機構関係者では横山直樹富士通研究所フェローが1987年に、荒川泰彦機構長が
1990年にそれぞれ受賞しています。

↓↓↓詳しくは↓↓↓
http://www.csw2017.org/Young-Scientist-Award.html

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7【活動報告?】●JST・CREST「革新的量子技術基盤の創出」公開シンポを開催
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★科学技術振興機構(JST)主催、東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催によるJST・CREST(戦略的基礎研究推進事業)「量子状態の高度な制御に基づく
革新的量子技術基盤の創出」(研究総括:荒川泰彦東京大学生産技術研究所教授)の
第1回となる平成29年度公開シンポジウムが5月25日(木)、東京大学駒場リサーチキ
ャンパスのENEOSホールで開催されました。最初に山本喜久内閣府ImPACTプログラム
マネージャーから「量子ニューラルネットワーク」について、招待講演を受け、CREST
のプロジェクトで推進している6研究チームの代表から研究成果の報告講演を受けまし
た。各講演報告を受けて、閉会挨拶に立った荒川研究総括から「発足してからわずか
8カ月ですが、相当な成果が出ている。CREST終了まではその8倍の期間があり、線形
といわず、エクスポーネンシャルな成果を今後期待したい」などと総括がありました。

↓↓↓詳しくは↓↓↓
https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/event/2017/crest_quantum/index.html

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8【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★9月5日(火)−8日(金)「第78回応用物理学秋季学術講演会」(@福岡国際会議
場・国際センター・福岡サンパレス、福岡県福岡市)
https://www.jsap.or.jp/activities/annualmeetings/

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★9月7日(木)−9日(土)「International Conference on Simulation of Semiconductor Processes and Devices (SISPAD)」(@Kamakura Prince Hotel, Kamakura, Japan.)
https://sites.google.com/site/sispad2017/

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★9月19日(火)−22日(金)「2017 International Conference on Solid State & Device Materials(SSDM2017)」(@Sendai International Center, Aobayama, Aoba-ku, Sendai)
http://www.ssdm.jp

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★9月21日(木)−24日(日)「2017年日本物理学会秋季大会(物性)」(@岩手大
学、盛岡市上田)
http://www.jps.or.jp/activities/meetings/future.php

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■【編集後記】まだ5月というのに、夏到来を思わせるような気候が続きます。5月号
は2件の活動報告を掲載しました。いずれもユニークなシンポジウムでした。それぞ
れ“AIとフォトニクス”、“革新的量子技術基盤”と相当離れたテーマで行われました
が、核心を見出すような会議だったと思います。前者はいろんな意味でのネットワ
ークが鍵で、ハード的にはシリコンフォトニクスによるネットワークの出番がやって
くると思わせました。後者は量子技術基盤の表現と打って変わって、量子技術応用展
開の広がりを見せる内容でした。量子コンピュータ、量子通信、量子の医用応用、量
子計測など、幅広くかつ高度に量子分野の研究開発が図られている報告に触れること
ができました。字数が限られるニュースレターでこれらシンポの内容に十分触れられ
ないのが残念です。(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
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