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1【活動報告】●東北大で第15回PIセミナー開催-高い関心が寄せられました
2【人事情報】●3月1日付で石田特任研究員が着任、田尻特別研究員は電通大に
3【特論情報】●4月4日から平成31年度ナノ量子情報エレ特論が開講します
4【受賞情報】●岡本准教授に丸文研究奨励賞、太田特任准教授に稲盛研究助成
5【新刊紹介】●古澤教授が集英社から“光の量子コンピューター”を上梓しました
6【量子連携】●NEC-産総研の量子活用テク連携研究室が発足-室長に白根氏
7【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
8【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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☆★☆記事内容★☆★
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1 【活動報告】●東北大で第15回PIセミナー開催、高い関心が寄せられました
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★機構は2月28日(木)14時から仙台市の東北大学・青葉山キャンパスで「第15回
フォトニクス・イノベーション(PI)セミナー」を開催しました。昨年10月の京都大
学に続き、東京以外で開催した2回目のセミナーとなります。今回、トポロジカル
フォトニクスやバイオイメージングと新しい分野の最先端フォトニクス技術をテーマ
に取り上げたこともあって、関心も高く、予定時間を超える活況を見せました。「仙
台では学会開催は多いが、新分野について解説するセミナーなどの機会が少なく、あ
りがたい」という反響もありました。

 セミナーは竹中充准教授(工学系研究科)の司会で定刻通り始まり、主催者を代表
して荒川泰彦特任教授が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト
の概要および現況説明と仙台でのセミナー開催の趣旨を含めて挨拶し、「若手二人の
エースを講師に活発な議論を期待します」と講師を紹介しました。講師のトップバッ
ターに岩本敏准教授(生産技術研究所)が“トポロジカルフォトニクス:トポロジー
を活用した光制御”と題して、トポロジカルフォトニクスとは何かという解説に重点
をおきながら、最近の成果まで講演しました。バンドのトポロジカルな性質を活用し
て、後方散乱がなくなるなど、光部品としての高効率化が期待される効果を含めて解
説がありました。トポロジカルフォトニクスの概念がむずかしいため、講演途中でも
質問が多く出され、インタラクティブな講演となりました。次いで小関泰之准教授
(工学系研究科)が “誘導ラマン散乱による生体の振動分光イメージング”と題
し、講演を行いました。「玉ねぎの細胞を観察する際に、染色して観察した経験があ
るでしょう」と切り出し、核酸やアミノ酸など、染色の難しい小さな生体分子でも、
誘導ラマン散乱を活用することによって、生きたまま、染色する手間も省き、分子レ
ベルで解明することが可能になった。量子光源を利用し、より高精度化を目指した最
近の研究も紹介するなど、生体分子の振動計測という、光技術の新たな応用について
解説しました。

 最後に共催の光電子融合基盤技術研究所(PETRA)の田原修一専務理事が「この領
域で人材育成が大切。今日のセミナーでNEDOプロジェクトが進めてきた先の分野が生
まれてきている実感が得られた」とセミナー開催の意義を込めた閉会の挨拶がありま
した。また、今回のセミナー開催にご協力いただいた東北大学の山田博仁教授からも
「地方開催の第2回目で感謝しています。このセミナーは今回が15回目なそうで、こ
の2年で10回も開催するハイペースに驚いています。またフォトニクスの世界にまだ
イノベーションの余地があることを示していただいた。今後もこうしたセミナーを継
続してほしい」と期待を述べました。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://picc.iis.u-tokyo.ac.jp/eventdetail/photonics-innovation-seminar-15th/

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2【人事情報】●3月1日付で石田特任研究員が着任、田尻特別研究員は電通大に
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★石田夏子特任研究員(荒川研究室)が3月1日(金)付で着任しました。

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★田尻武義特別研究員(岩本研究室)が2月28日(木)付で退職し、3月1日付で電気
通信大学情報理工学域 情報・ネットワーク工学専攻の助教に就任しました。

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3【特論情報】●4月11日から2019年度ナノ量子情報エレ特論が開講します
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★機構主宰による2019年度ナノ量子情報エレクトロニクス特論Ⅰが4月11日(木)か
ら開講します。理学系・工学系各研究科の共通科目として、木曜日4限(14:55~
16:40)に行われます。遠隔講義システムを用い、場所は本郷キャンパスが工学部2号
館246号教室、駒場リサーチキャンパスが生産技術研究所E棟Ew-501/502でそれぞれ行
います。なお、今年度の特論Ⅰでは、機構協働企業の日立製作所および富士通研究所
のご協力を得て、それぞれ7月4日(木)、7月18日(木)に企業集中講義を予定して
います。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://www.nlab.iis.u-tokyo.ac.jp/NanoQuine/index.html

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4【受賞情報】●岡本准教授に丸文研究奨励賞、太田特任准教授に稲盛研究助成
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★竹内研究室(京都大学)の岡本亮准教授が第22回(平成30年度)丸文研究奨励賞を
3月6日(土)に受賞しました。岡本准教授の授賞テーマは「光子を用いた量子回路の
実現とその応用」です。下記URLに岡本准教授の詳細な「研究紹介」のページもあり
ます。ご覧ください。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.marubun-zaidan.jp/h30.html

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★量子イノベーション協創センターの太田泰友特任准教授が2019年度稲盛研究助成に
選定されたことが3月15日(金)、稲盛財団から発表されました。贈呈式は4月20日
(土)に京都市内のホテルで行われます。太田特任准教授の助成対象テーマは「異種
材料転写プリント集積技術の開拓と非線形光量子回路への展開」です。助成決定につ
いても報道がありました。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.inamori-f.or.jp/news/inamori_grants/2019/03/15/4733/
◎日刊工業新聞 3月20日付31面 50人に助成決定 稲盛財団

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5【新刊紹介】●古澤教授が集英社から“光の量子コンピューター”を上梓しました
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★古澤明教授(工学系研究科)が、現在、研究開発を進めている量子テレポーテー
ションを用いた量子コンピューターについての一般向け解説書を集英社インターナ
ショナルから2月12日(火)に上梓しました。タイトルは「光の量子コンピュー
ター」で、第1章、第2章は量子コンピューターの開発史、第3章以降に、同教授らが
開発を進めてきた量子テレポーテーションを用いた光量子コンピューターについて、
わかりやすく解説しています。とくに光量子コンピューターの意義は、超高速計算に
あるのではなく、排熱エネルギーを最小にするところに本質があるとするなど、量子
コンピューターの実現に向けて道筋を提示する同教授らの研究の現場が見えてくるよ
うです。価格は780円(税抜き)、新書版192ページ。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
http://i-shinsho.shueisha-int.co.jp/kikan/035/

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6【量子連携】●NEC-産総研の量子活用テク連携研究室が発足-室長に白根氏
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★かねて明らかにされていました「NEC-産総研 量子活用テクノロジー連携研究室」
が3月1日(金)に産業技術総合研究所(AIST)内に設置され、そのグループ長に東大
NECラボのメンバーでもあるNEC システムプラットフォーム研究所の白根昌之研究部
長が就任しました。発足した同連携研究室はNECとAISTの研究開発力の融合を図り、
量子アニーリングを始めとする量子性に基づいた先端技術領域の研究加速を目的とし
ています。

 NECは超伝導パラメトロン素子を活用した組合せ最適化問題を計算できる量子ア
ニーリングマシンの研究開発を進めていますが、昨年9月にはNEDOより新規事業採択
を受け、量子アニーリングマシンに関してAIST、東京工業大学、早稲田大学、横浜国
立大学、京都大学と共同開発を進める枠組みも新たに整えました。今回、AISTと設立
する連携研究室では、こうした動きもさらに本格化するものと期待されます。

↓↓↓(詳しくは)↓↓↓
https://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20181121.html
https://jpn.nec.com/press/201810/20181009_04.html
https://unit.aist.go.jp/neri/ja/teams/index.html

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7【メディア情報】●機構関係者に関する掲載記事を紹介します
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★岩本敏准教授(生産技術研究所)の最近の研究内容を紹介する記事が、IGPIテクノ
ロジーが運営するTop-Researchersに掲載されました。ナノフォトニクス材料である
フォトニック結晶から、最近ではトポロジーの概念を取り入れた新しいトポロジカル
フォトニクスの研究を展開する岩本准教授に、その狙いや将来の目標などについてイ
ンタビューしています。

 IGPIテクノロジーは経営共創基盤(IGPI)の子会社で、Top-Researchersは最先端
研究やそれを進める最前線研究者を紹介するウェブマガジンです。

◎Top-Researchers 12月27日 高効率・高密度な光伝送の仕組みを開発する~
              岩本 敏・東京大学生産技術研究所 准教授
http://top-researchers.com/?p=2224

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★東京大学工学系研究科は日亜化学工業からの寄付を受けて、4月から「光量子情報
処理学」の寄付講座を開設すると3月4日に発表しました。光量子コンピューター実現
に向けた研究開発を目的に、古澤明教授を代表に、香取秀俊教授、高橋浩之教授らに
より、講座を運営していく予定。期間は2019年4月から5年間で日亜化学が年間5000万
円計2億5000万円を寄付する。多くの報道がありましたので紹介します。

↓↓↓(プレスリリース)↓↓↓
http://www.nichia.co.jp/jp/about_nichia/2019/2019_030401.html

◎日本経済新聞 3月4日 光量子コンピューター研究 日亜化学が東大に寄付講座
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41986970U9A300C1000000/
◎時事ニュース 3月4日 日亜化学が東大に寄付講座=
            光量子コンピューター研究を支援
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019030400622&g=soc
◎日刊工業新聞 3月5日付22面 光量子情報処理学 日亜化学が寄付講座
               東大、来月開設
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00508346
◎徳島新聞   3月5日付27面 日亜が東大院に寄付講座開設へ
               新年度から 「光量子」の研究支援
◎日経産業新聞 3月6日付 7面 日亜化学、東大に寄付講座
               光量子コンピューター研究
◎科学新聞   3月15日付8面 光量子コンピューター実現へ
               東大に日亜化学が寄付講座

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★新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所
(PETRA)は3月5日(火)に世界で初めて伝送速度400Gbpsを実現した最小規格のオン
ボード光モジュールを開発したと発表しました。PETRAが開発した世界最小の5mm角超
小型光トランシーバ「光I/Oコア」、高密度実装可能なポリマー光導波路技術、小型
化可能な高密度コネクタ技術を採用して実現した成果です。データセンタ用サーバな
どの省エネ・高速化などに貢献できます。この成果はNEDOの「超低消費電力型光エレ
クトロニクス実装システム技術開発」(プロジェクトリーダー=荒川泰彦特任教授)
による成果です。

↓↓↓(プレスリリース)↓↓↓
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101075.html
◎オプトロニクス 3月5日 NEDOら,光I/Oコアモジュールで400Gb/sを実現
http://www.optronics-media.com/news/20190305/55991/
◎日刊工業新聞 3月6日付11面 光通信チップ製品化
               アイオーコア 機器配線向け量産
◎産業新聞   3月6日付11面 NEDO オンボード光モジュール
               最小規格で最速伝送
◎ニュースイッチ 3月7日   機器の内部の配線が激変 光通信化の波
               アイオーコア、光通信チップ製品化
https://newswitch.jp/p/16765
◎科学新聞   3月22日付4面 「世界初」最小規格のオンボード光モジュール
               400Gbps伝送実現

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★新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所
(PETRA)、沖電気工業(OKI)は3月4日、小型に集積可能なフォトダイオードで世界
最高の受光感度21.8A/Wを達成したと発表しました。3月3日(日)から米国で開催の
OFC2019で発表した成果で、5Gネットワーク向け超小型トランシーバ向けに、シリコ
ンと集積可能な1600nm波長帯で最高感度を実現したものです。

↓↓↓(プレスリリース)↓↓↓
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101073.html
◎産業新聞   3月6日11面 NEDO 小型・高感度を両立
              フォトダイオードチップ
◎科学新聞   3月22日付4面 IT・情報通信動静
    NEDOと技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、沖電気工業・・

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★染谷隆夫教授(工学系研究科)が中谷賞大賞を受賞した様子が報道されました。中
谷医工計測技術振興財団による第11回中谷賞贈呈式が2月22日(金)に東京・日本橋
のマンダリンオリエンタルホテル東京で行われ、大賞を受賞した染谷教授の受賞講演
の様子などにも触れられています。

◎科学新聞   3月8日付 2面 第11回中谷賞贈呈式 開催
               大賞 染谷氏、奨励賞 今村氏・山東氏

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8【会議紹介】●関連会議・行事を紹介します
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★7月1日(月)-6日(土)「20th International Conference on Physics of
Light-Matter Coupling in Nanostructures (PLMCN 20)」(@Moscow & Suzdal,
Russia )
https://events.mifp.eu/PLMCN-2019/

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★7月7日(日)-11日(木)「24th OptoElectronics and Communications
Conference/International on Photonics In Switching and Computing 2019
(OECC/PSC 2019)」
https://www.oeccpsc2019.org/

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★7月7日(日)-12日(金)「13th International Conference on Nitride
Semiconductors 2019 (ICNS-13)」(@Hyatt Regency Bellevue, Bellevue,
Washington, USA)
https://www.mrs.org/icns-13

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★7月14日()-19日()「The 21st International Conference on Electron
Dynamics in Semiconductors, Optoelectronics and Nanostructures
(EDISON2019)」(@Nara Kasugano International Forum “Iraka”,
Kasugano-cho, Nara City)
http://www.si.eei.eng.osaka-u.ac.jp/edison/index.html

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★7月22日(月)-26日(金)「19th IEEE Conference on Nanotechnology
(IEEE-NANO 2019)」(@Parisian Macao, Macau, China.)
https://2019.ieeenano.org/

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■【編集後記】桜の開花も早まるほど、急に温かい季節がやってきました。五神真総
長の最近の新著『大学の未来地図―「知識集約型社会」を創る』(ちくま新書)を偶
然、本屋で手にして読みました。2月に上梓された新刊で、2年前に刊行された『変革
を駆動する大学 東京大学ビジョン2020 社会との連携から協創へ』(東京大学出版
会)に続く、総長として2冊目の書ということです。総長として折り返し点に入り、
変革を進めてきた成果が見え始めてきている分、2冊目を読んで、こういうことだっ
たのかと、新しい大学像とそれに立ち向かう責務のようなものがビジュアル化されて
くる読後感を持つことができました。ここ数年、大学に関する著作が出回っていま
す。変革の真意を目に見える形で伝えることが、次の変革を生むことにつながるので
はと感じ入っている次第です。(O)
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■発行:東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
├ http://www.nanoquine.iis.u-tokyo.ac.jp/
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